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トランザム7000のbackpackerのレビュー・感想・評価

トランザム7000(1977年製作の映画)
4.0
真っ赤なシャツに、カウボーイハット。
粋なセリフに、厚い人望。
制限速度も何のその、地平線までかっ飛ばす!彼こそ、荒くれ集まるトラック野郎には知らぬ者なしの伝説の男。
その名は、バンディット!西部の無法者、バンディットである!!

【あらすじ】
正真正銘の無頼漢にして向かうところ敵無しのスピード狂バンディットは、金持ち親子ビッグ&リトル・イーノスから持ちかけられた、『ビール400ケースをテキサスからジョージアのアトランタまで片道900マイルを28時間で往復する』という賭けに応じる。
しかし、当時このビールはミシシッピ河から東に持ち込むことは密輸であった。
そこでバンディットは、相棒のスノーマンにトラックの運転を任せ、自分はイーノス親子の金で購入したトランザムに乗り込み、トラックに近づく警察の露払いをすることに。
無事積み終えて戻る途中、道路に立ち塞がるウェディングドレスの女をトランザムに同乗させることになったバンディットであったが、何故かテキサスの保安官ビュフォード・T・ジャスティスとその駄目息子に追いかけ回され始める。
かくして、ここにジャスティス保安官と4つの州警察vsバンディット達による、フルスピードデッドヒートが幕を開けたのであった。

どうだい、この日本語吹替え!
以前この映画を見たときは、普通に字幕で見ました。で、今回吹替えを録画して見てみたところ……なにこれ、最高じゃん!!
お気楽ながら漢気と野性味溢れる、バンディット。
怒鳴り散らしまくるのにどこか憎めないおマヌケジャスティス保安官。
可愛い顔してやることは大胆、逃亡花嫁キャリー。
助手席にはおデブな愛犬、弱っちいのにヒーロー気取って、だけどきっちりお返しするスノーマン。
他、なよなよしたジャスティスJr.、保安官にたじたじの警官たち、バンディットを応援するトラック野郎と荒くれ諸君。
みーんな、ピッタリ。吹替え最高です笑

しかしこの映画の凄まじさといったらない。
車のスピードがともかく早い早い。アクセルベタ踏みでグングン加速して、警官諸君の鼻先をかすめていきます。
急ブレーキ急加速急ハンドルと、タイヤが悲鳴をあげてます笑
あれだけ煙だして止まったら、道路に跡がベッタリつきますね。

そんな猛烈なバンディットの運転をさらに盛り上げるのが、ジャスティス保安官のポンコツっぷりと愛すべきトラッカー仲間の協力です。
特に、パトカーに追跡されるバンディットをトラッカー達が連携して、トラックの隙間に匿うシーン。
あれ、撮影するの大変だったろうなぁ。
「お袋の腹の中よりも安全だ」と言うくらいに信頼する仲間たちの連携。あのシーンだけでもバンディットのキャラクターが強くでてきます。

そして忘れてはいけないのが、ビュフォード・T・ジャスティス保安官。
息子の花嫁が逃げ出したもんだから、もー怒り心頭で追い回します。
けど、肝心の息子はおつむの弱いアホ。
それもあって追跡もいちいち気が抜ける。あんな息子じゃあ、保安官も大変でしょうな。
ご本人のセリフを拝借しますと、まさに「くー、カッコ悪い」ってシーンが盛り沢山です。
でも、彼がいなかったら、きっとつまらない映画にしかならなかったと思います。
ジャスティス保安官の苦労の連続に敬礼。
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