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ジュマンジのMOCOのレビュー・感想・評価

ジュマンジ(1995年製作の映画)
4.0
「遂に終わりだ若造 逃げるか」
「いや」
「怖くないのか」
「もちろん怖い
でもパパに言われたんだ
『男らしく立ち向かえ』って」

 1969年、父親の経営するパリッシュ社の社屋拡張工事現場でパリッシュ家の一人息子12才のアランが、ちょうど100年前体験した子供があまりの怖さから地中深く埋めた「ジュマンジ」という双六ゲームを見つけます。
 サイコロを振る毎に駒が勝手に進み、ゲーム版の中央にある直径15センチほどの液晶に抽象的な言葉が浮かび、その通りのことが起きるとは知らず偶然訪ねてきたガールフレンド(単純な友達)サラに「やってみろよ」と誘うと「双六なんて子供がやるものよ」と渡されたサイコロを投げたことからゲームがはじまり、駒が進み液晶に「闇に飛び交う黒い影、羽音と共に襲いくる」と文字が浮かびます。二人はゲームを止めようとするのですが、アランは掛時計が時刻を告げる音に驚きサイコロを落としてしまい駒が進み、液晶に「5の目がでたらジャングルだ、5か8出るまでジャンクルだ」と浮かびアランは細かい砂のようになって液晶に吸い込まれサラは怖くなって家を飛び出してしまいます。

 26年後荒れ果てたパリッシュ家(行方不明のアランを探すことにお金を使い、パリッシュ家は破産)の豪邸を買い取りペンションに改築しようとする女性が現れます。彼女は事故死した姉夫婦の二人の子供ジュディとピーターの姉弟を連れて引っ越して来ます。
 ジュディとピーターは見つけた「ジュマンジ」のゲームをはじめピーターが5の目を出したことでアランはこの世界に戻って来ます、26年振りに・・・。

 ジュディとピーターは家に住み着いたライオンを追い返すためにはサラを探しゲームを再開し、誰かがあがりゲームを終わらせなければならないのですが、26年の間サラはアランがジャングルに閉じ込められたと同じように自ら家に閉じ籠り人を避けた生活を・・・。

 1995年の『ジュマンジ』は同一作家による『ザスーラ(2005)』、2017年には『ジュマンジ/ウェルカム・トゥ・ジャングル』2019年に『ジュマンジ/ネクスト・レベル』と、引き継がれて行くのですが、最初の『ジュマンジ』を越える作品は有りません。どれほど私がドウェイン・ジョンソンを好きでも紛れもない事実です。2019年以降のTVゲームに入り込む話とゲームの世界がやって来る話では大違い。この「ジュマンジ」に比べるとストーリーが陳腐に思えてしょうがありません。

 アランの父親とアランの命を狙うハンター(ヴァン・ペルト)をジョナサン・ハイドが一人二役で演じていることに気がついていない人が多いと思うのですが、現実の世界でもゲームの世界でもアランが逃げずに立ち向かわなければならない存在として設定され、アランは逃げることを恐れずたちむかっていかなければならないのです。

 未読ですが原作は二人の子供の話の様ですが映画はアランが中心になっています。
 アランとサラがゲームをクリアして戻る世界が26年前になるということは一緒に苦難を乗り越えたジュディとピーターがパリッシュ家にやって来る一年前に起きた両親の事故は事前に・・・というタイムトラベルの要素も含んでいるというてんこ盛りの脚本の良さに加え、ロビン・ウィリアムズの巧みな表情・・・。
 
 1997年の「スターウォーズ エピソード4」特別編公開以前の作品ですが、当時の特撮技術が、もう現代のレベルに近いことが分かります。


『冒険求めて別世界 
夢追い人のゲーム版
夢の行き先サイコロが知る
ゾロ目が出たらもう一度
先に上がって勝ち名乗り
一旦始めりゃ終わるまで
奇想天外ゲームの世界
上がった者が「ジュマンジ」と
唱えたときだけ夢覚める』

 ラストシーンで海岸に半分顔を出す「ジュマンジ」にその(正統な)続編を期待したのは遠い昔のことです。
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