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スペルマゲドン 精なる大冒険
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『スペルマゲドン 精なる大冒険』に投稿された感想・評価

保健体育ミュージカル。

精子たちが如何にして卵子に辿り着くのかを可愛く3Dアニメーションで描いたノルウェー作品。

こういう類の作品には「性教育ビデオ」としてオススメしたいと言及した作品は多いが、これは別に…って感じで「性教育ビデオ」としてオススメする事はできない。ラストはなんか良い感じにミュージカルで締めたが、主人公2人があまりにも避妊しなさ過ぎてアホ。ただアホだったおかげで精子たちの大冒険が見れたので感謝でもある。

80分で丁度良い尺。
ラランド、ニシダが大活躍。
可愛い感じの精子映画ではなかったし無駄にリアルというか潰されたり、精子が撃たれて殺されるとこグロかった
精子に感情移入とかしたことないんだけどスペルマゲドンつらいな普通に。精子についてこんな考えたことないわ
3.7
【精子の生死をかけた戦い】
2026年2月13日(金)よりヒューマントラストシネマ渋谷ほかにて公開の精子版《はたらく細胞》こと『スペルマゲドン 精なる大冒険』を試写にて一足早く観させていただいた。

本作は『処刑山』シリーズを手掛けたトミー・ウィルコラがノルウェーの子ども向けアニメを制作しているラスムス・A・シーバートセンとタッグを組み、『ソーセージ・パーティー』を意識したようなR指定3DCGアニメを爆誕させたものとなっている。

日本公開に合わせ吹き替え版が製作され、「ラランド・ニシダが精子役で声優デビュー!」とパワーワードすぎるニュースが流れた。今回、拝見した吹き替えバージョンではローカライズされたダジャレが炸裂していたのだが、それ以上にユニークな映画パロディをしながら生死をかけたスペクタクルが展開されており惹き込まれたので、こちらについて語っていく。

思春期始まったばかりのイェンス。彼の体内では精子たちが来るXデーに向けて備えている。しかし、精子のシメンは競争に勝てるわけがないと諦観しており、部屋に引き篭もってゲームをしている。そんな中、イェンスは好きな子リサとエンカウント。あっという間にXデーを向かえる。シメンのことを気にかけるカミラが強引に連れ出す形で大冒険が始まる。

本作は、『ウディ・アレンの誰でも知りたがっているくせにちょっと聞きにくいSEXのすべてについて教えましょう』における「ミクロの精子圏」でのウディ・アレンを意識したようなウジウジしたキャラクター造形と『インナースペース』的、体内/体外のスペクタクルを織り交ぜたような作品となっている。

イェンスとシメンは、人生での実践経験が乏しく、自らブレーキをかけている存在。イェンスの社会からしたら些細な冒険は、内面では壮大な大冒険であり、迷いながら言葉を選んでいく様と生死隣り合わせの宙吊りのサスペンスが物語にメリハリを与えている点に好感が持てる。

そして、特記すべきはバズビー・バークレーの演出を深いレベルで引用している点にある。ミュージカル映画において万能薬が如くバークレーショットで万華鏡マスゲームを捉える場面がある。あまりに擦られ過ぎており、かつバズビー・バークレーは他にも魅力的なショットがあるにもかかわらず無視してしまう浅さが毎回気になるのだが、本作では『フットライト・パレード』をメインに、無数のパネルで星条旗を表現する場面を引用している。この引用に唸らされた。『フットライト・パレード』は、ブロードウェイ・ミュージカルの演出家としてのキャリアを諦めた男の前に映画の大きな契約が舞い込み奮闘する物語である。主人公のケントには献身的な事務員のナンがいるのだが、仕事に熱心が故に彼女の心が掴めないでいる。これはまさしく、シメン/カミラ、イェンス/リサのパワーバランスと共鳴している上、諦観しているシメンの物語と重なる。つまり、ミュージカルだから安易に『四十二番街』のバークレーショットを引用するのではなく、『フットライト・パレード』を引用してくるあたりが素晴らしいのだ。

むろん、単純に体内冒険のスペクタクルとしても興味深く、迫りくる巨大なウンコや殺精子剤、尿の滝、執拗に追いかけて来るライバルと修羅場修羅場のつるべうちとなっており、サクッと楽しめるダークエンターテイメント作品となっていた。

日本では2026年2月13日(金)よりヒューマントラストシネマ渋谷ほかにて公開。