茜

学校の怪談の茜のレビュー・感想・評価

学校の怪談(1995年製作の映画)
4.6
溢れ出すノスタルジー!!
学校大嫌いだった自分でも、こういう映画観るとどこか懐かしい気持ちに浸っちゃうんだから不思議。

本作は小学生の頃に何度か観た記憶があるんだけど、大人になってから観てもバッチリ面白かった。
寧ろ大人になってからの方が、くまひげさんや口裂け女といった怪物達の造形にワクワクする。
登場する子供達もそれぞれ際立つ個性があって、特に「同級生は皆子供っぽい」ってこましゃくれた主人公(最初男の子かと思った)と双子兄弟が可愛くて好き。
霊感のある弟が学校を恐れて不登校だからと地面に悪魔祓いの魔法陣書き始める双子の兄、そんなオカルティック同級生なんて自分には居なかったわ羨ましい…。

舞台となる木造の旧校舎も昔懐かしく不気味な雰囲気ムンムン。
新校舎と旧校舎を分ける事で現代の子供も話に入り込みやすいだろうし、自分達の通う校舎は大丈夫っていう安心感も生まれるところが上手い。
次々と飛び出す学校怪談を元にした怪物達は、改めて観るとあまり子供向きとは言えない作り込み具合に笑う。
動く蛙の剥製は可愛いけど、人体模型の臓器はヌメヌメしてるし、口裂け女のビジュアルも作り込みリアルだし、何より用務員くまひげさんの変貌が最高。
くまひげさんだけは今でもしっかり記憶に残ってたから、子供心にも相当印象的だったんだろうなぁ。
初登場時の「手が何本あっても足りないよ~」って台詞が伏線になってたり、口からゲボッと出て来る描写のクオリティ等、大人になってから観ると改めて気付く事も多い。

子供達の演技も本当に自然な子供らしさが出てて、やたら芝居がかってないところが良いなぁと思う。
子供達を手助けしてくれるのがヤンキー軍団っていうのも笑えるし、ラストもしんみり&ほっこり。
想像以上に楽しめちゃったもんだからシリーズ全部追いかけてみたくなった。
茜