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12モンキーズのYYamadaのレビュー・感想・評価

12モンキーズ(1995年製作の映画)
4.0
【タイム・パラドックス佳作選】

◆パラドックス発生の方法
〈タイム・トラベル〉
 →未来を救うため、精度の低いタイムマシンにて過去に囚人を送り込む

〈見処〉
①張り巡らされた巧妙な伏線!
 傑作タイムトラベルSF映画
・『12モンキーズ』は、1995年に製作された、人類を絶滅状態としたウイルス拡散事件の阻止を巡るミステリー調の傑作SF映画。監督は『未来世紀ブラジル』の鬼才テリー・ギリアム。
・舞台は2035年のアメリカ、フィラデルフィア。ウイルス兵器にて人類の99%が死滅し、生き残った人類も暗闇の地下に住むことを余儀なくされている社会。
・科学者たちは、1996年にウイルスをばら撒いたとされる反社会的集団「12モンキーズ」を探るため、囚人のジェームズ・コール(ブルース・ウィルス)を過去に送り込むが、誤って1990年に辿り着く。
・コールは、不審な言動から逮捕され、精神科医キャサリンの立ち会いのもと精神病院に収容される。そこでジェフリー(ブラッド・ピッド)という若い患者に出会い、彼の助けを借りて脱出を図るが…。(eiga.comより抜粋)
共演に、本作でアカデミー助演男優賞にノミネートされたブラッド・ピット、「ラスト・オブ・モヒカン」のマデリーン・ストウ。「ブレードランナー」のデビッド・ピープルズが妻ジャネットと共に脚本を手がけた。

②演技に開眼?ブラッド・ピッド
・本作で精神疾患のある青年ジェフリーに扮したブラッド・ピッド。
・1980年代はTVドラマのゲスト出演で食い繋いでいたピッドは、1991年のロードムービー『テルマ&ルイーズ』にて脚光が当たり、1994年には『インタビュー・ウィズ・ヴァンパイア』に続いて出演した『レジェンド・オブ・フォール/果てしなき想い』(1994年)で、初めてゴールデングローブ賞主演男優賞にノミネートを受け、セクシーだけではない俳優として、活躍の幅を広げている。
・翌1995年は、ピープル誌による「最もセクシーな男性」に選定され、大ヒットスリラー『セブン』にも主演。本作『12モンキーズ』では、ゴールデングローブ賞助演男優賞を受賞とともに、アカデミー賞助演男優賞にも初めてノミネートされた。ブラッド・ピッドの長い俳優活動のなかで、最初のピークが、本作が製作された1995年である。
・出演時間は長くないが、本作のブラッド・ピッドの錯乱の演技は、アカデミーノミネート納得の熱演である。

③結び…本作の見処は?
◎: 数あるタイムトラベル映画のなかで、伏線配置の巧妙さは最上位となる傑作SF。
公開された20年後となる2015年からテレビドラマ化されたのも納得。
鑑賞後には、解説サイトで答え合わせをしたくなる。
○: 視線の定まらない、ブラッドピッドの錯乱の熱演は、見逃せない。

本作に出演するクリストファー・プラマー。2021年2月5に永眠、享年91歳。合掌。
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