140字プロレス鶴見辰吾ジラ

独裁者の140字プロレス鶴見辰吾ジラのレビュー・感想・評価

独裁者(1940年製作の映画)
5.0
【映画という体温】

傑作。
不朽の名作。
多くの人がそう言う。
これは「大いなる遺産」だ。

「笑いとはすなわち反抗精神である。」とチャールズ・チャップリンは言葉を残した。私の人生の座右の銘でもある。「笑いは武器」常にそう思い悲劇に対しても誰かに笑ってもらえたらと酒の席で臓物から悲劇を昇華させている。それは独りよがりかもしれないが…

紛うことなき世紀の独裁者アドルフ・ヒトラーに反抗精神剥き出しで、悲劇の世界を笑いをもって描いた作品。コインを次から次へと飲み込まなければならないシーンは大いに笑った。

単なる笑いによる反抗で茶化すのでなくかの有名なラストの演説シーンにそれは起こる。紛れもなくあの演説シーンは作品から切り取られたチャールズ・チャップリンの体温だ。あの言葉ひとつひとつが「映画の体温」となり我々を包み込み心を熱くさせる。正面切って悲劇を喜劇として反撃した男の体温は、永遠に冷めることなく映画となってこの世界を温めようと日々のぬくもりとして生き続けることに感謝している。