翔海

フィリップ、きみを愛してる!の翔海のレビュー・感想・評価

3.5
偽りだらけの人生に愛だけは真実であった。

嘘のような本当の話。
幼少期に自分は養子だと伝えられたスティーブンは愛に飢えていた。大人になったスティーブンは家庭を持ち、安定した警察官の仕事にも就いた。警察官になった理由は自分を捨てた母を探し出すためであったが、母からは真相を聞き出すことはできなかった。これからは自由に生きて行こうと決意したスティーブンは幼少期から隠してきたゲイであることをカミングアウトをする。恋人をつくったスティーブンだったが、ゲイはお金がかかると詐欺に手を染める。たくさんのプレゼントをして喜ぶ顔を見るのがスティーブンにとって至福の時間だった。スティーブンの幸せな生活も長く続くこともなく、刑務所に収監される。周りから見放されたスティーブンだったが、刑務所でフィリップに出会った時から彼の人生は輝きを取り戻す。

歪んだ愛のカタチが犯罪に手を染める。
人間というものは愛する人の為なら犯罪を厭わずに手を染めてしまう。善悪の区別がつかなくなってしまってはおしまいだ。しかし、人間は誰しも大小違えど罪を冒している。その大きさの違いと法を冒しているかの違いだ。けど、スティーブンの行動力と潜在能力には驚かされる。脱獄から詐欺、偽装工作まであらゆる方法で嘘を真実にするまでなっていた。嘘だらけのスティーブンは愛すらも嘘になっていたのか。

アメリカは私の想像を上回るほどに自由な国。
スティーブンはIQ169もあったとされているが、頭のキレも行動力も規模がアメリカ級。私にはスティーブン程の知能はないし、頭もキレないので地道に働いて稼ぐことしかできないけど、彼程の知能があれば詐欺すらも容易いと思うのなら、普通に働くのも馬鹿らしく思えてしまうのかもしれない。優れた才能を犯罪に使ってしまうこと自体が過ちなのだからスティーブンは愛から犯罪に手を染めてしまったのだろう。
キャッチミーイフユーキャンを彷彿する内容だったが、コメディ要素強めでゲイ要素も強めなのが玉に瑕である笑 キャストがジム・キャリーとユアン・マクレガーだったのでずっと気になっていてようやく鑑賞できて良かった。
翔海

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