翔海

グランド・ブダペスト・ホテルの翔海のレビュー・感想・評価

3.9
一流コンシェルジュが物語へ案内する。

ヨーロッパ大陸の東端にあるズブロフカ共和国には「グランドブダペストホテル」が山脈の上にそびえ立つ。そのホテルには名高いコンシェルジュ・グスタブが富裕層が多く訪れ、誰もが憧れる華やかなホテルとして営業していた。グスタフは一流のコンシェルジュの顔を持ちながらホテルに訪れた、裕福だが年老いた不安げな性に飢えた金髪の女性を慰めることを生業にしていたので、顧客から熱烈な支持を得ていた。その一人であるマダムDはグスタフと二度と会えない気がすると不安を口にする。その不安は的中し、一ヶ月後にマダムDの訃報を新聞で知ったグスタフはベルボーイのゼロと共に、列車で急いでマダムDの居宅のあるルッツへ向かう。

ウェス・アンダーソンが確立した世界観。
これまでにウェス・アンダーソン作品はダージリン急行しか観たことがなかったが、ウェス・アンダーソン=グランドブダペストホテルという印象があるくらいに彼の世界観が詰まった作品と思っていた。その先入観に間違いはなかった。ダークコメディな内容に洗練されたセンスの色使い、独特なカメラワーク。全てがウェス・アンダーソンの真骨頂であったのであろう。それを体現された作品に私は惹かれた。物語の内容はそこまでハマりはしなかったけど、細部にまでこだわりを感じるからこそウェス・アンダーソンのファンが多いのもうなずける。
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