翔海

月に囚われた男の翔海のレビュー・感想・評価

月に囚われた男(2009年製作の映画)
4.0
『孤独は死よりも耐え難い』

--近未来--
地球の資源は底をついた。地球の資源エネルギーは月より採掘されるヘリウム3で賄われていた。ルナー・インダストリーズ社から月へ宇宙飛行士のサムは3年の契約で1人だけで派遣される。サムの帰りを待つ家族からは、録画のメッセージが送られる。孤独なサムにとってそれは希望そのもの。独り言が多いサムであるが、人工知能のガーディのみ。ガーディは身の回りのサポートや日常的な会話のできるコンピュータ。契約満了を2週間に迫ったある日のサムは、作業中に事故に遭ってしまう。サムが目を覚ますと実験台の上に横たわっていた。それまでの記憶が思い出せないサムはガーディによるリハビリをして少しづつ自分の記憶が回復してくるが、仕事に復帰できないことやガーディが本部と会話をしていることに違和感を覚える。自分が事故を起こした現場に向かったサムが目撃したものとは。

月にたった一人になったなら。
終始サム・ロックウェルのひとり芝居にミステリーな展開になってきて、見応えがある作品。これまでに宇宙を題材にしてきた作品は自分は苦手だと避けてきたけど、この作品は好みのタイプでした。SF映画自体が苦手意識があったけれど、宇宙関係なら「ガタカ」も好きだし、案外宇宙関係のSFは好きなのかもしれない。それかガタカはイーサン・ホーク、月に囚われた男はサム・ロックウェル。どちらも好きな俳優が主演だから好きになったのか。今では定かではない。

カメレオン俳優。
この作品はサム・ロックウェルを目的に鑑賞したけど思いがけない傑作に出会えて良かった。私がサム・ロックウェルを好きになった作品は「プールサイド・デイズ」でした。その作品に出会ったときの私は今よりも映画の知識も無く、TSUTAYAで何気なく借りて見たら面白くて、イケおじなサム・ロックウェルのファンになっていた。これまでに彼の出演する作品を少し見てきたけど、色んな名作にも名バイプレイヤーとして活躍してきている。その中でも「ジョジョラビット」でのサム・ロックウェルは最高である。彼のファンになったきっかけの作品のようなイカしている役であり、名バイプレイヤーとしての役割を存分に果たしている。改めて、サム・ロックウェルという俳優の凄さを実感した作品であった。
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