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愛し合ってるかい? 忌野清志郎が教えてくれた

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『愛し合ってるかい? 忌野清志郎が教えてくれた』に投稿された感想・評価


アメリカのトランプ政権による世界平和の破壊行動、イスラエルによる虐殺行為、高市政権による平和国家と人権の破壊など混迷を極め緊張の高まる中、精力的に平和を訴え社会の不正を痛烈にユーモアを持って批判した忌野清志郎のドキュメンタリー。

膨大なアーカイブから厳選された映像が大きな見どころで、リハーサル映像などオフショットはもちろん、76年ライブなど初期の映像もハイクオリティな画質で楽しめるのがファンにはたまらない。

90年代に深夜番組として放送された泉谷とのギター対談も楽しそうでいい。

三浦友和、竹中直人、三宅伸治、泉谷しげる、梅津和時など、忌野清志郎と縁の深い関係者インタビューの証言から歴史を辿っていく。
さらに、角田光代や金平茂紀など忌野清志郎に共感を持つ業界人が魅力を語り、愛娘・百世のプライベートな面の証言が加わり、多角的に忌野清志郎の魅力を掘り下げている。

言いたいことが言えなくなってしまった日本を憂い、一億人が言えないことをひとりで勝手に言いたいことを言う忌野清志郎を称える坂本龍一。「自由」の無条件のカッコよさを語る金平茂紀などが個人的にはグッときた。

他のメンバーのインタビューも欲しいところだが、単発的なプロジェクト含め関わった人が多岐に渡るので、証言を語るのはこの人数ぐらいがベストなのかも知れない。

2009年に忌野清志郎が他界して以降の動きにも時間を割いていて、彼の意思が語り継がれ、歌い継がれていることが伝わる構成になっている。

既出映像だが、第二次世界大戦中、レイテ島で母親の最初の夫が亡くなり、国への怒り・恨みが激しかったのを知り、音楽という平和的行為で戦争の愚かさを訴えることを決意したと語る忌野清志郎の表情は心に来るものがある。

この世界中から戦争がなくなること、人間の頭の中から戦争という概念が無くなるのが夢だと言う忌野清志郎のメッセージが心に刺さる、こんな世の中だからこそ観ておいてよかったドキュメンタリー映画だった。
5.0
ドキュメンタリーらしい正攻法のつくりだが、おそらく世に出ていないものを含めて、貴重な映像がたくさん出てくるし、終盤に登場する人物に驚かされるし、清志郎の歌や言葉に泣かされるしで、見ていていろいろと心を動かされるものがあった。

映画の後半からはっきりと伝わってくるのは、亡き忌野清志郎の遺産を現在、そして未来につないでいく、という姿勢。“夢”をキーワードに、次の世代に清志郎のバトンを渡していく構成になっている。

世界平和、なんて夢見がちな大言壮語は忌避される時代になった。しかし、世界は混迷を極め、20世紀よりも混沌とした、平和からほど遠い状況にある。だからこそ、清志郎が自信なさげに、つぶらな瞳でつぶやく「世界平和」が響く。清志郎の歌が、いま必要だ。

実際、RCサクセションと清志郎は、1980年代前半に時代の寵児になって、1980年代後半のバンドブームの時代には多くのミュージシャンに影響を与えたことで神格化されたが、1990年代、J-POPの時代になって、影響力は下がってしまった。2010年代以降はシティポップが、そしていま、2020年代にはフュージョンが再評価されたものの、残念ながら、RCと清志郎は忘れ去られたままだ。影響は限定的だ。だからこそ、この映画企図していることはリーズナブルである。

私は、もちろん『RHAPSODY』だって大好きなのだが、『楽しい夕に』と『シングル・マン』を愛しているので、清志郎の魅力は、孤独感や空想的なロマンティシズムにあると思っている(『RHAPSODY』だったら“エンジェル”だ)。あまり豊かではない、東京の西側の若者の孤独な姿。だれにも理解されないけれど、きみだけはわかってくれる。市営グラウンドの駐車場に車を停めて、毛布にくるまって眠るしかないふたりの若者たちを歌う清志郎が好きなのだ。

RCでのステージパフォーマンスとまったくちがって、清志郎がシャイで内向的な人物だったことはよく知られている。初期のRCの曲を聴けば、彼がどれほど卑屈で捻じまがり、ひねくれた人間だったかはよくわかるだろう。RCと清志郎が忘れ去られてしまったいま、その孤独な魂に可能性があるとすれば、それは、きっといつだって存在しうる孤独な若者に届くだろう、ということ。映画はそういうことを語っているわけではないものの、私はそんなことを考えた。
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今の時代に生きる人へ贈る映画。

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