らくだ

キツツキと雨のらくだのレビュー・感想・評価

キツツキと雨(2011年製作の映画)
4.0
山奥の村の木こり・克彦の元に、突如山に現れたB級ゾンビ映画、そして、そのへろへろで気弱な新人監督・幸一に巻き込まれて撮影に参加していくうちに、お互い関わり合いながら人生の心持が少しずつ、少しだけ変化していく…という、どこか素朴な空気のコメディ映画です。

主演2人、役所広司の無骨で覇気のない職人の佇まいと、小栗旬のもはや小栗旬とは思えないレベルのゴリッゴリの陰キャオーラ、ともに作り込みと憑依っぷりがものすごくて、それが交流を経て生き生きとした顔になっていくところ、ほんとに良いんですよね…
コメディとは言いながら中盤までは静かに淡々とことが進むので、ワハハと笑うタイプではなくクスッとなるタイプの作品なんですけど、中盤以降協力の規模がどんどん大きくなって村全体が撮影に巻き込まれドタバタ始まってからはあまりにも絵面と展開が面白すぎて最高です。でした。
人と人が出会い変わっていくというお話ではあるのですが、ヒューマンドラマのような強い情動はなくとも暖かいメッセージを受けながら肩の力を抜いて楽しく観られるような作品でした。


あと、この作品で撮影されているゾンビ映画が、ほんとに「つまんなそうな低予算ダメ映画」としての質感が出てて最高でした。でも田舎の村人たち全面協力のアホ人海戦術でゴリ押されたゾンビ映画観たすぎる…
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