らくだ

マリグナント 狂暴な悪夢のらくだのレビュー・感想・評価

マリグナント 狂暴な悪夢(2021年製作の映画)
4.5
ある日を境に殺人の現場に居合わせてその一部始終を目撃させられる、というどうしようもない悪夢を見るようになった主人公が、その殺人の夢が空想でなく現実に起きた事実だと知ってしまい、連日起こる夢の狂気と闘いながら事件に巻き込まれ、またその正体に迫っていく…という、ホラーでスリラーでサスペンスな映画です。

登場人物や舞台も必要最小限で、横道なくシンプルに一つの事件を追っていく縦軸のしっかりしたシナリオなおかげで、そのグロテスクな悪夢の「ヤバさ」にグイグイと引っ張られるように集中できるのが良いですよね。よくないよ。こわすぎる。悪夢を引き起こしていた怪物の正体があまりにキモすぎてこっちが夢に出そうでしたよ!もう!よくあんなの思いつきますよね…
序盤から少しずつばらまかれていく伏線や布石が、話を展開させながらクライマックスに向けて「ああ!あれはこういうことだったのか!」と次々に回収されていく上に物語の謎はすべて解明されるので、もう爽快感や気持ちよさすら感じます。絵面はあまりにも陰鬱でドス黒いんですけども。

あとは、ゴア、グロ描写、題材のえげつなさによってR18指定で配給されているために観られる映画館が非常に少ないんですけど、すこし手心を加えてR15で上映できたなら、もっと世界に打って出ることができただろうなぁというのが少しもったいないですね…ぼくもこの映画のためにちょっと遠出しましたが、それだけの価値はありました…良さ…
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