タケオ

ルパン三世 カリオストロの城のタケオのレビュー・感想・評価

4.3
宮崎駿の長篇初監督作品である本作に登場するルパン三世は、暴力や殺人も厭わない狡猾な悪党として描かれた原作のキャラクターとは大きくかけ離れている。あまりにも優しく紳士的で、溢れるユーモアとクールな表情のメリハリがしっかりとつけられた正に"義賊"のようなキャラクターだ。

上記以外にも、クラリスのような清楚系キャラクターはルパン三世のヒロインとしては相応しくない、峰不二子の魅力が出ていないなどの理由で一部の熱狂的ファンからは否定的な意見も多い。

しかし、原作のキャラクターとの切り離しに成功した瞬間、本作はあまりにも完成された最高の娯楽作品へと姿を変える‼︎

巨匠スティーブン•スピルバーグが「映画史上最も完璧なカーチェイス」と評したとも噂される冒頭のカーチェイスを筆頭に、屋根から屋根への大大大ジャンプやクライマックスの時計塔での決闘、そして銭形のとっつぁんの伝説の名言まで1秒たりとも退屈を感じさせない抜群のテンポには脱帽だ!

豪快なアクションと秀逸なユーモア、そして爽やかな感動はこの先も決して輝きを失わないだろう。

間違いなくルパン三世の、そして日本アニメのターニング•ポイントとなった作品だ。
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