R

愛と死の間でのRのレビュー・感想・評価

愛と死の間で(1991年製作の映画)
3.5
むかーし面白い面白いと思って2,3回見た記憶あり。ひっさびさに見てみた。開始後いきなり画面全体にどーんと大きくMURDERという単語が出てきて、うおって一気に引き込まれる。たまたまでっかいテレビで見てたのラッキー! こういうインパクトある文字演出は大画面で栄えますね。1949年、ハリウッドの音楽家が妻を殺した容疑で裁判にかけられ、無罪を主張するも有罪になり、死刑になったという新聞記事が次々に画面に現れ、そのあと、光と陰のコントラストが美しい、昔の映画のような白黒映像で死刑執行直前のシーンが描かれる。そして話は現代へ。ある修道院に保護された、記憶と言葉を失った謎の女(過去の音楽家の妻と同じ顔!)の正体を突き止めるべく、探偵マイク(音楽家と同じ顔!)は彼女の写真を新聞に載せてもらうのだが、それを見て骨董品屋を営むあやしい催眠術師が、彼らのところにやって来る。彼女の過去の記憶を探るため催眠術にかけると、彼女は前世の記憶を回想し始め、1949年の殺人事件へとつながって行く。過去の事件の犯人は本当に夫だったのだろうか、そして、それを記憶しているこの女の正体とは、マイクとのつながりは何なのか⁈ と、現世と前世を行き来するミステリーが、かなり濃厚なヒッチコックタッチで展開。本作のいちばん目立った特徴は、現代劇にしてはちょっと大仰すぎまいかと思うような演出&カメラワークと、下手するとヘタクソにすら見える昔っぽい演技。いくらヒッチテイストを狙ったからとて、そこまでやるか、って思ってしまうのだが、さまざまなシーンにユーモアが散りばめられてるので、シリアスなミステリーというよりは、ちょっとおどけたコメディとして見るとちょうどいい塩梅なのかもしれない…と思い、モードを切り替えるとかなり楽しめる。あとあと考えても可笑しなシーン多すぎ笑 催眠術師はあわよくば金稼ぎのことばっか考えてるし、オレは謎の女のフィアンセだよって出てくる男はカンフーの達人やし、マイクが相談する男はロビンウィリアムスやし。で、ゆったり気楽な気持ちで見てると、今度はクライマックスでびっくりしすぎてえっ!って思わず声出してもーたやんけ!笑 最後は過去と現在がめくるめくモンタージュで入り乱れ、スリリングなクライマックスが過去の悲しい慕情と憎しみでピークに達し、ハサミ、ハサミ、ハサミ、しつこいくらいハサミ!のイメージが交錯したあと、最後のハサミーーーー!!! めでたし、めでたし、良かったやん。難癖つけるなら、ヒロインの見せ方や演技がバリバリヒッチテイストな割には、演じてるのがエマトンプソンなので、グラマーに欠けるなぁってとこかなぁ。やっぱヒッチコックのヒロインの美貌は格が違うね。あと、主演のケネスブラナーも何か演技がびみょい気がした。が、ハンナシグラはいつ見ても素晴らしいし、アンディガルシアはカッコ良かった。全体としては変な映画やけど、何も考えんと軽く見るには適当かもしれませんよ。
R

R