わかめ昆布

白昼の通り魔のわかめ昆布のレビュー・感想・評価

白昼の通り魔(1966年製作の映画)
3.8
「一緒に鏡に映るのは、最初で最後だな」

とにかくヒロイン“しの”のキャラクターが凄い。
謎に魅力的。ぽけーっとして掴み所がなく、男には従順で、でもピュアで真っ直ぐな面もあり…
今までにないヒロイン像で、男が惹かれてしまうのが分かる不思議な魅力が。
そんな謎の女“しの”を取り巻く事件の数々。

“先生”の方がダンゼン綺麗なのに、しのの方が可愛く見えるし好きになっちゃうのは何故…

意図してるのか、してないのか分からない雰囲気に惹かれつつも、怖い!こんな子いたら叶わない って思わせてしまう。
天然物は強いというか‥新しい種類の叶わなさ。

しの役女優の演技の素晴らしさもある。
ライティングの巧みさで透き通って見える。

「むごいことは、男女の間ではどうしても避けられないことなんよ…」

しの同様掴めなくていまいち憎めない重犯罪者。
ラスト辺りからのアングルや撮り方秀逸。
あえてのモノクロも良い味。

渚監督は、ラストから失速し出すのが最高。
今作も、余韻を残す感じではありながらも
やっぱり衝撃度は高い。

事件まみれの映画だが、一番こわいのはヒロインなのが面白い。強くたくましく美しい。
野生的な美に惹かれた、新境地。

しのばかり追いかけてしまい、してやられた感。
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