原作のフランス版は、序盤で集中力が途切れたのに、今作は最後まで見てしまった。
タクシードライバーで凄腕運転手の、横幅のある黒人女性のキャラクターと、とことんドジで、裏目裏目で追い込まれていくマザコンの白人青年刑事のコンビモノは、ありそうで、案外なかったパターンかも。
この二人の、ボケとツッコミというより、ボケとしっかり者のやり取りと、カーチェイスシーンで最後まで引っ張られたし、思いのほか面白かった。
悪役の美女強盗団のビジュアルのよさには、本作に製作で関わるリュック・ベッソンらしさを感じたが、鮮やかな強盗の手法が描かれながらも、なぜ美女たちが強盗をしようとしたかの犯人の人物像の背景が全く描かれていないのは、美女たちのビジュアルに興味はあっても、個々の背景や内面にはまるで興味がなさそうな映画バカでオタク気質の強い彼らしさなのか、最近のビジュアル重視のアメリカ映画らしさなのか、まぁ両方なんだろうけど(笑)
個人的に、とことん裏目裏目、さっぱり冴えず情けないけど、本人は至って真面目で案外めげない白人刑事のキャラクターが好き。とことん二枚目のキャラクターよりも、よっぽど愛せてしまう。