三次元からきたブロンディ

めしの三次元からきたブロンディのレビュー・感想・評価

めし(1951年製作の映画)
4.2
記録

東京から大阪から赴任して来た夫婦の倦怠期を描き、林芙美子の原作を川端康成が監修、成瀬巳喜男が映画化した。

夫婦の倦怠期を描きながら、女性の「自立」と「幸せ」の普遍的な問題を投げ掛ける。昔の生活は現代の生活と然程変わっておらず、この事は昔から問いかけていたとは驚きだった。

原作のラストは林芙美子が死によって、途中で絶筆になっており、その監修を川端康成が務めた。もし彼女が最後まで執筆していたら、映画でのラストも変わっていたかもしれない。

成瀬は林芙美子の作品を多く映画化し、本作も女性の一途な思いを描いた傑作品だった。