茜

バットマン リターンズの茜のレビュー・感想・評価

バットマン リターンズ(1992年製作の映画)
5.0
昨日に引き続き今回はリターンズの方を鑑賞。
いや、やっぱり素晴らしいです、これ。

ペンギンは大好きな悪役の一人で、見た目もキモ可愛いくて、一生懸命走ってる姿を観ると思わず笑っちゃう。
でも奇形であるが故に産まれてすぐ両親に捨てられたという悲しい過去を持ち、ずっと暗く汚い下水で育ったため光を見た事がない。
そんな彼が「オズワルド」として一時は地上の世界で市民にもてはやされるも、ある事をきっかけに(自分で蒔いた種だけど)また再び「ペンギン」として下水の世界に戻っていくシーン。
オープニングで両親に乳母車ごと捨てられたあの川を、また再びアヒルボートに乗って下水に帰っていくシーンが、何とも言えない哀しさと寂しさを感じて大好き。

そして継ぎはぎのレザースーツに身を包んだキャットウーマンのバットマンに対する不器用な愛情表現も、
今までずっと不器用に生き続けてきたセリーナの片鱗を感じさせて憎めない。
特にラストでキャットウーマンが魅せる渾身の戦いは鳥肌が立つほどかっこいい。
恋する相手の優しい言葉より、何が何でも私はコイツを許さないっていう信念にがむしゃらに従う姿を見て、
何でか分からないけど涙ぐんでしまった、本当にかっこよくて。
もはやあのシーンはキャットウーマンというよりも、セリーナ自身の戦いだったよねって思う。

この映画に出てくるキャラはバットマンもペンギンもキャットウーマンも、みんな心に傷を抱えている。
そんな人達がお互いの正義をかけてぶつかり合う様が何とも人間味があって大好き。
正義のヒーローも悪役も皆嫌いになれなくて、皆に同情や共感をしてしまう不思議な映画。
(でもシュレックだけは、悪人のくせに変なところで息子への愛情見せつけたり、不快感マックスで本当に嫌い!笑)
茜