わたがし

シュレック2のわたがしのレビュー・感想・評価

シュレック2(2004年製作の映画)
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 小さい頃に観た記憶が微かに蘇った。続編映画の面白さが詰まってて楽しすぎる。ストーリーとしては前作よりひどいディズニー弄りで邪悪なおとぎ話の世界を更に広げて、更にシュレックのアイデンティティを揺さぶってるだけで特別に何か新しい切り口とかテーマを作ってるわけではないんだけど、描写ひとつひとつに怨念がこもってて感動する。
 保守的で差別主義者のフェアリーゴットマザーが「アメリカ」の全てを背負ってて最高。でもこれはパロディであると同時に(本家シンデレラの)再解釈でもあって、ストーリーを語るという行為は本当に無限の可能性があるんだなとしみじみしてしまった。
 知らず知らずのうちに人は常識やお決まり、用意された継ぎ接ぎのハッピーエンドの中で生きていて、その気味悪さや居心地の悪さをここまで露悪的に、でも爽快にエンタメで表現する勇敢さに泣ける。映画における「魔法が解ける=現実に戻る」描写でこんなハッピーなことある? 最高の映画。
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