わたがし

ヴィレッジのわたがしのレビュー・感想・評価

ヴィレッジ(2004年製作の映画)
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『サイン』や『アンブレイカブル』ほどはテンションあがらなかったけど楽しかった。知性とセンスしかない巧妙な画で盛り上げて、青臭い自意識まみれの自主映画スレスレの画と作劇で落とす。シャマランの映画って漫才に近いのかもしれない。
 どちらかと言うとかなり感情を置き去りにするような画が続くのにジェームズ・ニュートン・ハワードの音楽がいつも以上にしっとりしてて本気なのかふざけてるのかのわからなさを更に強調する。シャマラン映画全般に言えることだけど、細部でこういう変なことを延々してるのに話はちゃんと毎回しっかりストンと決着が着くところにエンターテインメント愛を強く感じて好き。たぶん映画が好きすぎてちょっと変になってる人なんだと思う。
 ブライス・ダラス・ハワードが森に入って最初に怪物に襲われるところ、100%ハリウッド映画の画じゃなくて「え?」って声が出るぐらいびっくりした。もちろん筋と意図込みなのはわかるんだけど、あんな貧乏臭い画とダサい編集で観客をミスリードする勇気にめちゃくちゃ感動する。あれぐらい堂々とした気持ちで映画を作れるようになりたい
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