むぅ

ホーム・アローンのむぅのレビュー・感想・評価

ホーム・アローン(1990年製作の映画)
4.0
電車の中で笑ってしまった。

「ホーム・アローン」
自宅療養中の同僚にLINEをしたら、そう返信がきた。
「映画観られるくらいの体力はあるんだね、一安心」
「監禁ひとりぼっちツラい」
「そっちのアローンか」
良かった、ちょっとは元気そう。
こんな時、マスクは便利だ。
ニヤニヤしながら返信した。
「ホーム・アローンちゃんと観たことないや」
「非国民」
「発言が不適切すぎるから」

街にはクリスマスソング。
"ホーム・アローン"が復帰するまでに観ようかなとなった。


クリスマスをパリで過ごすため飛行機に乗り込んだ15人の大家族。
ところが空の上で大事な忘れものに気づく。8歳のケビンがいない!
家に取り残されたケビンはその頃...。


「そこの"かすがい"ちゃん」
母が不機嫌な父への伝言を頼む際、こう呼びかけられていた幼少期。1人娘の"かすがい"的には家族旅行で置いていかれるなど驚愕のシチュエーション。
家に1人になったケビンが日頃やりたかったことを楽しむ姿が可愛い。
そう言えばポテトチップスを1袋独り占めするとか、ホールケーキにフォークを刺すとか、好きなだけテレビを観て夜更かしするとか、プレゼントの包み紙をビリビリ破いてみるとか、そんな夢があったなと思い出す。
「やっちゃうもんね!」
その直前の高揚感が最高なキラキラ輝く夢。

"ピタゴラスイッチvsゾンビ"
家族の留守を狙った泥棒2人組をやっつけるためのケビンの罠のピタゴラスイッチ具合と、私が泥棒なら生命の危機を感じて逃げ出すと思われるところを諦めない泥棒2人組のゾンビ具合。
3人にとって忘れられないクリスマスになるのだろう。
ゾンビ側は"忘れたいのに"忘れられないクリスマス。


雪降るラストシーンで更に思い出す。
クリスマスが近い日の朝番、誰もいない早朝の暗いテナントを歩いていたら突然光が舞った。
Wham!の「Last Christmas」が流れた。
そして雪が降り出した。
その世界に私1人。

人気だった降雪イベントのリハーサルだった。今思い出しても最高にロマンチックな"alone"だった。
忘れられないクリスマスの一つ。

私もきっとケビンと一緒。
"alone"は最高だけど"lonely"は..

「おかえり!」
"ホーム・アローン"が復帰したらそう言おうかな。
むぅ

むぅ