たにたに

アニー・ホールのたにたにのレビュー・感想・評価

アニー・ホール(1977年製作の映画)
3.6
🔸私を会員にするようなクラブには入りたくない

🔸関係というのはサメと同じで常に前進していないといけない


▪️感想▪️
ウディ・アレン初見です。
なかなか難易度高めですね。

映画の内容というより、セリフ回しや撮影手法、そしてメッセージ性の芸術性が評価されているんでしょうか。

コメディアンであるアルビーと、女優と歌手見習いのアニーが出会い、お互いの精神的な支えとなり、そして付き合う。徐々に心のすれ違いから、2人は別れてしまう。

アルビーは死に取りつかれていて、異常な偏見的思考を持っているように見える。
セックスに対する考え方も、自慰行為との区別はなく、相手への奉仕でなく自分自身の精神安定の手段のように感じます。何しろ一言多いっていう。

アニーは病みが深いタイプなのか悲観的なとこもあり、アルビーの偏見的思考から一歩距離を置いて、落ち着きを放っているも、その心の奥に自分を肯定してくれる存在を欲している。

2人は絶妙なバランスで男女の関係を上手く構築しているように思うけれど、ある意味普通ではない者同士なので、混沌としており、動物的な本能で二人は離れてしまったのかもしれない。



撮影手法としては、
アンジャッシュのコントみたいな、
別場所にいる2人がそれぞれ別の人と話しているのに、あたかも2人が会話しているかのように話が成り立っている。といったものや、
第四の壁をやぶって、カメラに向かって視聴者に話しかける手法をとっている。

長い台詞回しも、哲学的な難しいことをつらつらと述べているが、そういったやたらと専門家ぶった会話が実際世の中には溢れかえっている。
自分の思考を誰かに話す事で欲を満たしている。

どこに向かって、誰に向かって話をするのか、まさに映画というのはそうゆう概念がない。ウディ・アレンはそれを上手く利用している。
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