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レイジング・ケインのRのレビュー・感想・評価

レイジング・ケイン(1992年製作の映画)
4.5
デパルマ、アゲイン。この映画、思春期に死ぬほど好きで何度も何度も見た。初めて見たときは怖すぎてうおおおお!!!ってわめき散らした。次々に、恐ろしい、女たち。いや、ホントに恐ろしいのは男たちなんすよ、けどデパルマの演出で女が怖い笑 冒頭、公園まで娘を迎えに来たカーターは、そこにいた子連れの女友達に、車で家まで送ってもらうことに。だが道中、彼はオドオドビクビクしながら、突然彼女にクロロフォルムを嗅がせ、ぐったり気を失わせる。自分の行為に怯えるカーターに、途中から加勢する双子の兄弟ケイン、こちらは犯罪やり慣れてるようで、自信満々。初っ端から緊張のスローモーーショーーーン!を駆使したスリラーで、いきなり飛ばしまくりデパルマ。どうやら彼らは、母親を処分し、子どもを拐って、幼児発達の研究をしてる父に研究対象として引き渡す、ということをしてるらしい。と同時に、カーターは愛する妻ジェニーと娘と一見しあわせな結婚生活を送ってる。が、ジェニーはある日、買い物中にばったり出会った昔の男とずるずる不倫の関係に…。ここがまたすごいシーンで、不倫のセックスやら後ろめたさやら過去の追憶やらが重なり合って、目くるめく映像の迷宮みたいになってる。その昔の男とは、はじめて関係を持ったとき、瀕死で意識のない彼の奥さんが病院のベッドにいて、ジェニーは当時は看護師さん。ふたりが病室でこっそりキスをしてると、いきなり奥さんの意識が戻って……のシーンはマジ背筋凍る! 今見てもこええええ! 一方、カーターとケインは次々に母親を処分。車を湖に沈めるシーンはサイコを彷彿させるが、ここでもうわあああ!!!ということが起こります。クワーラー!!! クワーラー!!!怖すぎ…。不倫の迷宮以外にも、時おり、現実なのか何なのかよく分からないことが起こるシーンがいくつかあり、どうなっているんだーーー!!! となったのを一気にタネ明かしする中盤は、思春期にはじめて見たとき、そんなことがあるのかーーーーー! と興奮に次ぐ興奮! うひゃああああ!!! そのあとの婆さん VS カーター&ケインらのやりとりもエキサイティングでガタガタ震えた! いまはもう何度も見てるからそんな感じにはならないけど、このシーンのジョンリスゴーの演技には思わず笑みがもれる。特にマーゴ! 最高! 時々ぶちこんでくる不気味な死者の顔の不気味な編集も怖いし、とにかく怖い怖い映画。クライマックスは全員集合で、さすがデパルマなスローモーションによるスリルとサスペンスの見事なオーケストレーション! 久々に見ると、実に短く、タイトで、小さな規模の作品だなぁ、と思った。からの! 僕の愛するエンディング! うおっ! てなるよね笑 フルメイキャップで最高の表情をしておられる! すばらしい!!! 全体としては、もうちょい長くてもいいんちゃうかな、という感じもあるけど、コンパクトなスリラーとしては大いに楽しめると思います。また見たい。不倫映画バンザイ!!!
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