らくだ

歓喜の歌のらくだのレビュー・感想・評価

歓喜の歌(2007年製作の映画)
4.0
似たような名前の合唱団2つの年末公演をダブルブッキングしてしまったイベントホールの超ボンクラ公務員のおじさんが、コトをなんとかうまいこと丸く収めようと、無い頭と能力を絞り出しながら東奔西走する、というお話なのですが、原作が現代落語なんですね。それ由来の軽妙な足取りのコメディになっています。

騒ぎの元凶であり主人公でもあるおじさんが、ここまで擁護しようもないダメ人間なのかとあまりにも清々しい気持ちになるんですけど、クズや悪人ではないので(ダメ人間ですけどね)最終的に「まぁ…がんばれ!」っていう気持ちになってしまうのが不思議です。序盤でダブルブッキングの後処理や謝罪をして回ってるシーンではいろいろと思い出してしまい観ていて胃が切なくなってしまいますが…実際替えのきかないものが直前でダブルブッキングと判明するの、恐怖でしかないですよね。絶対当事者になりたくない…それでもコメディであることを踏まえて、ある程度軽めに収めてくれているし、最後のハッピーな結末に向けてしっかり駆け抜けてくれるので、どうかそこはカタルシスへのタメと思って…


あと、出演している人たちがまさしく「日本映画/ドラマ界名バイプレイヤースーパー一大決戦」みたいなとんでもない俳優陣で、大多数がチョイ役なのにみんな存在感あってすさまじいです…あまりにも顔と名前が一致しすぎる
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