このレビューはネタバレを含みます
片田舎の村リミニの1年間の出来事のお話。雪や霧、海、ハッとするような美しさのカットが合間合間に飛び込んできました。景色と人物の配置が素晴らしい。
村の何ということのない出来事が四季に沿って描かれ、その楽しさと面白さが美しく伝わってきました。「1、2、3、ブリッ」「吐くんじゃない、吸うんだよ!」だとか、実体験かもしれないと思うと余計におかしみが増します。
シーンのメリハリも素晴らしく、四季に合わせて、人生の喜怒哀楽を凝縮させたような見事な構成で、感情の波に飲まれてしまいそう。狂言回し的に登場する村人がとてもオシャレ。ラストで舞う綿には涙が出そうでした。
卓越した映像美で寓話的ですらある村の人々が溢れ返る生命力とともに映し出され、人生の一幕一幕が強烈に美しく描かれた傑作でした。