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バッド・エデュケーションのRのレビュー・感想・評価

バッド・エデュケーション(2004年製作の映画)
5.0
久々の6回目! やっぱすばらしい! 濃厚なホモエロスとド派手な色彩が、人称と時制を次々に変えながら見事な語り口で展開するストーリで、毒々しく花開く。ゴリゴリのスリラーが始まりそうなスリリングなオープニングから激しくツボ! 次々にビリビリ破られるケバケバしいポスターと、まがまがしいハラハラする音楽に最初からチビりそう! ある日映画監督エンリケのオフィスに突然やって来る元同級生のイグナシオ。彼は過去ふたりに起きた出来事を『訪れ』というタイトルの脚本にしたので、読んで気に入ったら映画化してくれ、そして自分を役者として使ってくれと頼みにやって来る。その夜エンリケの読む脚本が、映画内映画として展開。イグナシオの女装初登場シーンのファビュラスさといったらヤバい! 砂漠 偶然 カフェテリア! 演じてるガエルガルシアベルナル、目元口元、エロ過ぎ!その後、神話に出て来そうな美男に女装ガエルがお尺八を施すシーンも素晴らしく、口の中に入った例の縮れ毛をつまみ出すとか、現実以外で目にするとは思いもよらぬ、リアルなディテール。もう片方のオカマちゃんは、演技がサイコーにおかしくて爆笑の渦! 手の動き良すぎ! あとドラッグ好き過ぎ! 笑けすぎてはらいてー! その後、オカマふたりは、幼少期のイグナシオに性的イタズラをした神父を脅迫しに行くねんけど、ここから今度はショタたちの手コキ純愛メモリーズ&神父のイタズラによる信仰心の崩壊が描かれる。少年時代のイグナシオは、二度披露される歌声が美しすぎて、あの神父のように震えてしまうよね。前半のジュエリーを散りばめたような美々しい映像は、この辺から少しずつダークになり、醜悪な後半のミステリーと流れ込む。このころにはもはや完全没頭状態、衝撃のエンディングへと見るものを一気に流し込んでいくパワーには息するのを忘れる。名シーンにつぐ名シーン。スタイリッシュなショットの連続。特に、思惑と視線と白ブリーフと陰毛が絡み合うイケメンふたりの裸体プールシーンは鼻血! で、どんどん毒気がディープになっていき、だんだんと明らかになるのは、この映画、ファムファタルならぬオムファタルが、ゲイメンたちの人生を狂わせに狂わせるフィルムノワールなのだってこと! ノンケ時代のガエルかわゆ過ぎ! そりゃオヤジも狂うわな。そして、全てが語り尽くされた果てのラストショット! 迫りくるズームと音楽の圧倒的パワー! 映画館で見たときは、どでかいスクリーンいっぱいの情熱にシビれすぎて、座席を立てなかった! 泣けた! いまはBlu-rayで見るたびに全身鳥肌! すさまじいエンディング。人生とはパッションだ! ブラヴォー!!! 今後も何度も繰り返し見るだろう!
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