幻想的な美しさと戦慄すべき残忍さが共存したイタリアンホラー。
ジェニファー・コネリーの瑞々しい美少女ぶりが神々しすぎて、まるでアルフォンス・ミュシャの女神みたいだった。月明かりに小舟で浮かぶ彼女の姿があまりに美しすぎて、ローレライのように僕の心を奪い去ってしまった(なんか書いてて、恥ずかしいラブレターみたいだけど…笑)。
本作の魅力は(独断と偏見ですが)、
①ジェニファー・コネリー
『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ』で注目され、本作のヒロインに抜擢(撮影当時14歳)。
当初はアルジェント監督の実娘フィオーレ・アルジェントをヒロインに考えてましたが、公平のためにオーディションを行い、ジェニファーに決定。フィオーレは冒頭のバスに置き去りにされる女の子役で出演しました。
出てくる女の子女の子、みんな綺麗で可愛いけど、ジェニファーが出てくると、吸い込まれるように目が釘付けになりました。当時から大好きでしたね(*´∀`)!!観ていて、一時期の一色紗英に似ている気がしたのは僕だけかな(ポカリスエットのCM、懐かしか~♪)?
この美少女が、あれやこれや酷い目に遭わされる描写が見所。特にあの悶絶プールに落ちる場面は、体を張ってベチョベチョになります!絶対、美少女をいたぶるのはアルジェント監督の変態趣味ですね(ゲロ吐きシーンとかいる?)!
とにかくジェニファーがいるだけで、画面が華やぎました♪やっぱ、ローレライだ!
「みんな、好き」の神々しいまでの美しさを見よっ!!!✨✨✨✨😎
だいぶ厳しい校長先生(ダリラ・ディ・ラッツァーロ)も美人でツボでした♪
②残忍すぎる殺戮シーン
潔く首が吹っ飛ぶし、長いナイフでぶっ刺すし、挙げ句に虫に全身を…凄い殺戮なんだけど凄く爽快!!出し惜しみなく、「ここぞ!」というタイミングで披露してくれるのが嬉しい(*^^*)♪ホラー映画を観ているお客のために、期待通りに殺戮シーンを次々魅せてくれるので概ね満足(ちょっと殺しがワンパターンだったけど)。
雰囲気は『犬神家の一族』。どんな殺され方をして、描写されるかが楽しみな感じ(俺、大丈夫か?)。殺戮シーンに何だか美学を感じられるのが、アルジェント監督の良いところですね(いよいよマニアックなレビューになってきました 笑)。
殺害の美学。
殺しの前に挿入される不吉な兆し…鳴り響く時計の音、床に落ちるハサミ、ポインターの赤い光に照らされる目、心臓音、風の音、赤と青、動く影。
そして殺しは、潔く"スパッ"と!
窓ガラスを割る、ナイフで突き破る…こんな描写を悲鳴とスローモーションで演出するところが、ベタすぎて笑っちゃうけど美しくて好きですね♪
『オーメン』のガラスシーンに匹敵するスローモーションだと思いました。
何度か虫から見たショットが出るけど、暗闇に腐った手首と群がるウジ虫が映った瞬間は本当に嫌だった(^o^;)
③魅惑的でけたたましい音楽
イタリアンプログレがマイブームだった時に、大好きだったのが「バンコ」「ニュー・トロルス」「PFM」。彼らの格調高いクラシックさ、荒々しいハードロックさ、重厚なサウンド、美しいメロディラインに首ったけでした\(^o^)/♪
様式美と残酷美が融合したイタリアンホラーには、どこか呪術的なプログレがよく似合いました。
『サスペリア』『ゾンビ』『シャドー』『デモンズ』などイタリアンホラーを支えてきたプログレバンド「ゴブリン」。
テーマ曲"Phenomena"の美しくどこか怪しげな雰囲気が抜群に良かった(^3^)!!
むしろ首を傾げたのが、「アイアン・メイデン」の"Flash Of The Blade"などハードロック曲の起用。彼らに罪はないと思いますが、楽曲が場面に合っているように思えませんでした(-_-;)
曲自体は良いと思いますが…でもイラつかせるのが狙いなら成功してます(笑)
殺戮場面は独自の美学が感じられるほどの出来なのに、挿入音楽は時に雰囲気を壊すくらいハードロックだったりするので吹き出してしまいました。
あの頭突きで割れるガラスや薄い鉄板で頭がちょん切れるの?とか、ソフィー(フェデリカ・マストロヤンニ、名前の通り、名優M・マストロヤンニの姪)がいないままで誰も心配しないの?とか、監禁されたら電話で助けを呼ぶより近くの玄関から逃げないの?とか、復讐の相手がなぜ分かったの?とか、疑問だらけ(笑)結構、強引なプロットですが、そこは愛嬌ですかね(..)
そんなアチャ~な部分もありますが、感心したのはチンパンジーのインガがラストシーンで浮かべる複雑な表情。哀しさと虚しさが入り交じった表情をしていました。また安堵した表情にも見えました。人間顔負けの凄い名演技でしたね。
本作はちょっとへんちくりんだけど、美しいジェニファーの魅力と戦慄な殺戮シーンで最後まで面白く鑑賞できました(虫たちには引いたけど)。
影の主役はインガと(たくさんの)虫たち。
⚠️虫嫌いな人は、観るのをご注意ください