テキサス州に帰郷した5人の男女が、殺人鬼一家に襲われる様を描き出す本作。
後世のホラー映画に多大なる影響を与え、元祖スプラッターホラーとして名高い本作であるが、今改めて鑑賞してみると直接的なグロテスク描写はそれほどあるわけではない事がわかる。
低予算のために用いた16mmフィルムの荒い映像、耳を劈くチェーンソーと悲鳴、こだわり抜かれたアートの数々、あまりにも強烈な一家の描写が生み出す地獄絵図が洪水の如く鑑賞者を飲み込んでいき、そのトラウマレベルのインパクトにより激グロスプラッター作品を鑑賞したかのような錯覚を起こすのだろう。
本作はあまりにも強烈な内容と描写でPTAや州から吊るし上げを喰らうこととなったが、トビー•フーパー監督自身が「コメディ作品のつもりで制作したのに、なぜこうも批判されるのか分からない」と発言していることから、監督本人もここまで伝説的な作品になるとは思っていなかったことが見てとれる。
いや、コメディのつもりでこんな作品制作したならそれこそホラーだよ!
視覚だけではなく精神的にも畳み掛けるような疲労感をもたらす最恐作品‼︎
体調不良時の鑑賞は勧めません。