「午前十時の映画祭8」で鑑賞。「魅惑のオードリー週間」ラストの4作目。前3作は1953~1957年公開でモノクロ映像。本作は1966年公開でカラー映像。
美術品収集家のシャルル・ボネは、実はすご腕の贋作画家で、自作の偽美術品を好事家に売っていた。一人娘のニコル(オードリー・ヘプバーン)は父に贋作作りをやめるように忠告するが聞く耳を持たないばかりか、贋作の「チェリーニのヴィーナス像」を美術館に貸し出してしまう。しかし、うっかり保険にかけることに同意してしまい、本物かどうか科学的に鑑定することになるという大ピンチに。
そんなある夜、ボネの屋敷に泥棒のシモン(ピーター・オトゥール)が忍び込む。たまたま居合わせたニコルは見逃すかわりにヴィーナス像を盗み出すように依頼する。というような筋書きのロマンティック・コメディ。
モノクロ時代のような愛らしさよりも、ちょっと濃いめで大人のオードリー。それでも人形的イメージはそのまんまで、はじめの方で赤色の小さなカブリオレ・スタイルの車に乗るオードリーの姿は、ロングで見るとおもちゃが動いているみたい。
内容的には前3作がオードリーの方が男性よりも優位にあったように感じるのに対し、本作は仕事のできる男性に頼っているからか、キャラクターの魅力がやや控えめな印象を受け、ちょっと物足りないかも。
オードリーがまとう衣装と数々の名車がみどころらしいけど、その方面の知見がなく、良く味わえなかったかな。カラーかつ横長のスクリーンでオードリーが見れたのは貴重だったということで。
●物語(50%×3.5):1.75
・まあまあ。オードリーの相手は、まずまず年をとった富豪から、仕事のできる男に代わったのは、時代背景かしら。
●演技、演出(30%×4.0):1.20
・白黒時代のオードリーの方が好き。
●映像、音、音楽(20%×3.5):0.60
・特に印象に残ることは…。