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夜叉の小のレビュー・感想・評価

夜叉(1985年製作の映画)
3.7
「午前十時の映画祭8」で鑑賞。ヤクザの世界から足を洗うも、業を逃れられない男を描く。なんといっても高倉健がカッコイイ。もはやその存在だけで映画が成立しちゃう、みたいな。

徹底して無口な高倉健の前では、ビートたけしも田中邦衛も必然的に道化役。女はどうかと言えば、高倉健を翻弄する田中裕子、高倉健に翻弄されるいしだあゆみ、みたいな感じなのかな。

ヤクザも触らぬ神に祟りなしと、ある意味超越した存在。どんなことになろうとも自分の業と運命を黙って受け入れる高倉健は男の願望が集約したキャラクターなのかしら。

あと凄かったのが、田中裕子が子連れで日本海の荒波を背景に歩くシーン。海がまるで壁みたいに見え、飲み込まれそうだけど飲み込まれない感じ。「スゲェ~、ナニコレ」って感じだった。

ストーリーは二の次かな。とにかく、健さんがカッコよければそれでヨシみたいな。ただ、夜叉の入れ墨はあまり好きな絵じゃなかった。

●物語(50%×3.0):1.50
・共感は薄め。

●演技、演出(30%×5.0):1.20
・健さんはもちろん、女優陣、脇役の2人がしっかり引き立て役に。

●画、音、音楽(20%×5.0):1.00
・映像、素晴らしい。
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