茜

スウィーニー・トッド フリート街の悪魔の理髪師の茜のレビュー・感想・評価

3.5
公開当時に劇場で観たけれど、10年以上前でストーリー殆ど覚えてなかったので、また新鮮な気持ちで観た。

劇場で観た時にはそんなに気にならなかったはずなんだけど、改めて観ると序盤から中盤にかけては少しミュージカル演出がうっとおしく感じることもしばしば…。
でもトッドが人をバッサバッサ斬り始めて人肉饅頭祭りが始まってからは、歌がとても良いスパイスになってる感。
昔の横溝正史シリーズばりに血がピューピュー吹き出す様はもはやシュール。
2階で喉掻っ切ってから1階に落とした死体でパイ作るとか冷静に考えると凄いよなぁ。

ラヴェット夫人がトッドに自分の夢を語るシーンで、病的な顔色の2人が緑にかこまれた丘や明るい海辺に並んでいるというミスマッチな光景は、まさにティム・バートン独特の世界観で良かった。
誰一人幸せにならず全く救いのない物語だけど、ラストの血まみれで俯くトッドが写るシーンはまるで絵画みたいに美しくて好き。
茜