shiho

回転のshihoのレビュー・感想・評価

回転(1961年製作の映画)
3.5
イギリスのホラー映画。
原作は1898年の小説作品。

観て最初に思ったのは
リアル シンデレラの世界!
(※ディズニーのシンデレラです)
本当にこの頃ってメインの移動手段は馬車で電話もなくてメイドはフリフリのメイド服着てて女性は床につくほど長いドレスを着てるんですね!!
(上流階級だけかな?)
まともな照明器具もないのか、夜もろうそく持って移動ですよ!
火傷しそう…笑

金持ちの叔父が、両親を亡くした兄妹の面倒を見たくないからと家庭教師(主人公)を雇って、
「自分に迷惑は一切かけず子供達の面倒を見てくれ」と言われます。
両親から「困っている人を助けてあげなさい」と育てられた主人公は、可哀想な子供達を自分が助けてあげたいと喜んで仕事を引き受けます。

舞台は田舎にある豪華なお屋敷です。御伽噺に出てくるみたいに数えきれない程部屋があるけど、そこに住んでいるのはメイド2人と庭師夫婦とコックと子供達&主人公だけ。
(いいですね!バカンスに行きたい。ここを維持する叔父の財力とは如何に…)

肝心の子供達はと言うと、
妹のフローラ(8)は元気いっぱいでおしゃまな感じだけど、
「爬虫類はお好き?」と言って亀見せてくるし(それはいいんだけど)
「ふふふ、蜘蛛が蝶を食べてるわ」って微笑みながらそれを突いたり、
主人公宛の手紙を「一緒に読みたーい!」って取り上げたり、
主人公がうなされながら寝てるのをニヤケながら見つめていたり、
うわ〜この子やだな…って思いました笑

兄のマイルズ(10)に至っては寄宿学校を「他の生徒への害になるので」という理由で退学になって戻って来るんだけど、子供じゃないみたいな喋り方や表情をしててすごく気味悪い(´ω`)!
こんな子供の世話私はしたくないです笑!

生活の中で主人公は屋敷にいないはずの男女の姿を見ます。
そして前任の家庭教師ジェスルが亡くなっていること、その家庭教師が屋敷を仕切っていた従者クイントと男女の関係になっていて、兄妹たちは男女をとても慕っていて、男女は昼夜構わず屋敷中で行為に及んでて子供達もそれを見ていたであろう事、をメイドから聞き知ります。

そして異常な子供達の様子は、死んだ男女が二人に乗り移っているのでは、と考え彼ら(兄妹)を助けようとしますが…


戦慄するほど怖いとかではなかったけど、不気味さを感じる作品でした。幽霊の出方が男の方はちょっとギャグぽくも感じたけど、女性の方は怖かったですね。
音響も古いし画質も荒いので、正直美しいであろう庭の様子や屋敷の中や湖をカラーで見たかったし、昼夜の区別も分かりづらかったのは残念でした。

幽霊は閉ざされた空間での主人公の抑圧された性的欲求不満が引き起こした妄想との筋が強いようですが、
過去を知る前から幽霊は見えてるし聴こえてるし、私的には男女の幽霊は存在していて主人公にしか見えてないんじゃないかなと思いました。
でも子供達に取り憑いたりはしていない、子供達がおかしいのはまともな大人に育てられなかったからかなと。
(メイドさんは基本言いなりだし)
しつけと環境って大事ですね。
そもそも行為を見せる事って今は性的虐待の一つですし。

幽霊自体は控えめな演出でしたが
湖の向こうに佇んでいる姿は怖かったし、それに合わさって掴み所のない子供達も気味が悪かった。湖の近くでフローラが一人でバレエしているシーンも気持ち悪いし、ギャー!!ってヒステリー起こすと手がつけられないのも怖い。子供達にどうやって演技指導したんだろうなぁと感心しました。

主演女優のこれでもか!というほどの顔の演技がしつこくもありましたが笑、だんだん追い詰められておかしくなっていく姿は哀れでもありました。
ちょっと顔芸に飽きてウトウトしたのも事実…笑
(メイドさん、もちょっと主体的に動こうや!)

最後クイントの名前をマイルズに言わせるシーンは悪魔祓いみたいだなぁと思いました。
衝撃のラストと言われているけど私は「ほーん…?」ってなっちゃった笑

ストーリー自体は面白かったので、今綺麗な映像でリメイクしてほしいな〜なんて(*´-`)

最後に、本作を紹介して頂いたhorahukiさん、ありがとうございました☆
貴重な映画体験でした♪
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