ホラー映画の勉強。「えっ!? 見たことなかったの!?」と馬鹿にされそうな古典です。
いまさらですが……これはめちゃくちゃすばらしい! そして、こわい!!
Jホラーじゃん、という映像演出がたくさんあって、つまりJホラーというのは「日本的な表現」じゃなくて、英米欧のホラー映画表現を受け継いだものなのだ、と改めて痛感する(『アーギュメンツ #3 』で指摘されていたこと)。
水面に映る少女の姿、湖の向こう側にたたずむ人影、塔の頂上から見下ろす男のぼんやりとした姿、風にひらめくカーテン、廊下を横切る女……。見ていて、おもわず鶴田法男の『霊のうごめく家』や黒沢清の『ダゲレオタイプの女』を思い出す。小中千昭が「ほんとうにこわい映画」というのも、さもありなん。
『回転』は、ロングショットの勝利、ということなのかもしれない。シネスコなのもすばらしい。
それ以外にも、音がこわくて、予期をとりつけて観客をおびえさせる見事な機能をもっている。少女の叫び声を聞かされつづけたシーンは、気が狂いそうになった……。