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コズモポリスのRのレビュー・感想・評価

コズモポリス(2012年製作の映画)
3.7
油断してモーレツに眠いタイミングで見始めたら、内容がややこしくて、まったく頭に入ってこない……1時間でリタイア、翌日最初から見直して、そういう話か、って納得できるかと思いきや、しっかり見てないと途端に内容が頭に入ってこなくなる類の映画だった。結構頑張って見ました。後半も2回見た。どの回もかなり眠くなったので、あんまり面白いと感じてないんだと思う。内容としてはなかなか興味深いんやけどねー。心が全く動かない笑 28歳の無感情で冷徹な男エリックは、外国為替のデータを恐ろしく細かに分析して、莫大な金を稼ぎながら暮らしている。ある日、自分の会社のビルを出て、床屋さんに行くぞ、と決めて、リムジンに乗りこんでから起こる1日の出来事を描いていく。オープニングから心を惹きつけるシャープな音楽と独特な映像のタッチで、異様な緊張感がギラギラみなぎってるのはすごく好き。たまたま近くに来ている大統領の警備や民衆の暴動や大規模な葬儀やらで、まったくリムジンが前に進まない中心街で、入れ替わり立ち替わりさまざまな人がリムジンを訪れ、エリックと話をしていく前半。延々と続く会話は、抽象的すぎてうまく記憶に残らないのだが、ぼんやり見えてくるのは、彼は、感情はおろか、人間として生きてる感覚さえもほとんど失ってしまているってこと。大量に買ってた元が大暴落で破産レベルの大損をしてしまっても、その大損自体、物理的な実態が伴わないので、動揺もない。何者かに命を狙われてる様子だが、それもまったく意に介さず。彼の世界では、身の回りの全ての現象が、数字などの記号に還元されるデータでしかない。それが特に奥さんとのやりとりに如実に表れてて、その部分はすごく面白い。で、リムジンにやって来た医者による健康診断で、前立腺が左右非対称だと診断されたことから、エリックという人物全体があらゆる意味でバランスを失っていく、という流れ。後半に行くにつれて、エリックという存在と、その存在を成り立たせるために不可欠な世界の不均衡、みたいなところに話が流れていく。こうやって書いていくと、なかなか面白そうな話だなって思うし、テーマも良い。出てくるキャラもそれぞれに興味深いし、キャストも魅惑的やし、一個一個で考えると会話内容も面白いのになー、何かなー、そんなに面白くないんだなー残念なことに。全体の流れがかなり退屈。それぞれのシーンがちゃんと頭に残らずざーっと流れ出ていく。ひょっとしたら、さらに追加で3回、4回、しっかり内容を消化しながら見たら全然違って見えてくるのかもしれないが、そんな時間はありません。
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