茜

コズモポリスの茜のレビュー・感想・評価

コズモポリス(2012年製作の映画)
2.0
クローネンバーグの映画は割と好きなものが多いのですが、個人的にこれはイマイチだったかも…。

主人公は何やら大金持ちの投資家らしく、未来的なリムジンの中でほとんどの時間を過ごしつつ、お金の使い方はめちゃくちゃ、
妻にセックスを拒否される鬱憤を晴らすかのように色んな女性とヤりまくり、破天荒を絵に描いたような人間なのですが、
そもそも自分が投資とかそういう類のものと無関係な世界で生きてるので、会話の内容が全く意味不明…。
とりあえず話の流れから莫大な損失を抱えたという事は理解できましたが、
リムジンの中で繰り広げられる主人公と登場人物の淡々とした会話の内容が全くピンと来ない。
そのせいもあってか割と観ていて退屈に感じられました。

主人公は暗殺の影に怯えるように、隔離されたリムジンの中で閉鎖的な時を過ごしているにも関わらず、
セックスという欲に関してはとても正直で本能的に行動する。
映画内でやけに出てくる「前立腺が非対称」という言葉からも、アンバランスをテーマにしているのかな。
順調に感じている毎日も、実はとても不安定なもので、ちょっとしたきっかけでアンバランスになり全てが狂ってしまうよ、みたいな…。

テーマは面白いのですが、これといった盛り上がりやワクワク感もなく、やや退屈感が否めない映画でした。
投資に精通している人が観たらまた異なる印象を受けるのかもしれません。
茜