渡辺武監督デビュー作で阿部寛主演による【犯罪
アクション】。
土井士郎(阿部寛)は、書類の山にストレスな毎日を送る商社マン。ある日、ふとしたことから銃を手に入れる。最初は、半信半疑だったが、次第に自分の中の得体の知れない力を感じ始めていた士郎は、やがて銃を撃ちたい衝動を抑え切れず、裏組織から弾を入手する…。
本作は、25年前と古いが、昨年鑑賞した村上虹郎
主演の【銃】の不満、不足だった部分がしっかり
存在して侮れない。
今頃何故元祖がレンタル開始⁈の疑問は、それに
併せたと想像出来る。(大杉さん出演も理由としてありそう。)
スローテンポながら、士郎の凶気に覚醒するまでの行動をじっくり丁寧に捉えているので、不自然さは感じない。
いきなり発砲するのでは無く、先ずはルガーの歴史から仕組みまで入念に調べた上で、ひと気の無い山へ行って試射するシークエンスをちゃんと入れたのは、士郎の真面目で神経質っぽいキャラ的に説得力が有るし、筋力を付け【タクシードライバー】に影響された⁈早撃ち訓練シークエンスも緊張感を煽り有効だ。
士郎が追い詰められ、ついに人を撃つ凶気が覚醒する
シークエンスは、最近のタイプキャストばかりを演じている、今ではちょっと観られないだろう阿部の怪演、
表情(ジャケ参照。)は見所だろう。顔こそ若いが、
阿部寛の狂気を体現した演技力は、早熟だったと言え
よう。
名バイプレイヤー大杉さんの役所も初期ならでは⁈の
怪演。
本作デビューの中島宏海は綺麗だった。
前作(デビュー)での勢いが無かった高島礼子は
期待ハズレ。
クライマックスの対決からの最高のラストショット
(結末)は、今ではもはや新鮮⁈
潔さが【深い余韻】も残す。