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タッカーとデイル 史上最悪にツイてないヤツらのbackpackerのレビュー・感想・評価

3.0
「社会問題はコミュニケーション不足が原因だと思うの」

ーーー【あらすじ】ーーー
幼馴染の中年オヤジ二人組タッカーとデイルは、念願叶って手に入れたボロい山小屋の別荘で休暇を過ごそうとやってきた。
ところが、道中遭遇した大学生グループに、偏見まみれの第一印象から「殺人鬼」と勘違いされてしまう。
偶然と不幸な事故の連続により、双方の間の溝は深まるばかり。
果たしてタッカーとデイルは、いかれた大学生達による死亡遊戯から逃れることはできるのか……。
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スラッシャー映画。所謂、「夏休みに湖畔のキャンプサイトにやってきた若者達を、いかれた殺人鬼が血祭りにあげる」ような映画です。ジョン・カーペンター監督の『ハロウィン』が作り出したムーブメントによって、スラッシャー映画は黄金期を迎え、数多くのサイコキラーが世に放たれることになりました。
本作は、スラッシャー映画の文法を逆手にとった、スプラッターホラー・コメディです。

こういうゲラゲラ笑えるコメディは、見てて気楽でいいですねぇ。
上述の通り、本作はスラッシャー映画の構造を用いて、不運な男二人組の直面する不幸と、大学生達の感じる恐怖のマリアージュが生み出すパニックの連続が、おかしくておかしくて。
タッカーとデイルは直接的には何もしていないのに、次々と死んでいく大学生達。こいつらほんとに……なんだってこう、短絡的というか、思い込みだけで行動するんでしょうかねぇ。
作品の推進力となっているのは、殺人鬼を倒そうと躍起になるグループのリーダー・チャド。彼が自己陶酔に飲まれ錯乱し、遂には取り返しのつかないところまで行ってしまう様は、見ていてちょっと不憫になったりします。
とはいえ、「スラッシャー映画の主人公目線を逆転させる」というセントラルアイデアで、ここまで楽しませてくれたわけですから、尊い犠牲になっておくれ。


さてはて、事件の主犯と思われる人物は、姿を消してしまったわけですが、彼はどこへ行ってしまったのか?
冒頭に描かれるカメラマンとレポーターは、いったい何に襲われたのか??
その真相は……待て次作!!(んなもんない)
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