母親というものは子供に対して、死ぬまで心配であり、自分が何とかしてあげなければと思うものなのか、それが障害を持つ子供であればなおのことなのか…。
悪い友人とつるむ息子(とはいえ本人はそんなことみじんも感じていない、自分をかまってくれる存在が母親意外の唯一の存在が彼だから)を心配でならない母親だが、ある日、息子が殺人犯の容疑者として逮捕される。
自分の息子の無実を証明するために奔走する母親だが、絡まった真実の糸が少しずつほどけていくとそこには違う事実が見えてくる。
障害を持つ息子を不憫に思う自分と、両親が死んで祖母と2人暮らし。そんな祖母は痴ほう症でマッコリばかり飲んでいる。その姿を不憫に思う被害者の境遇を自分と重ねただろう。
そしてついにたどりついた本当の事実を知ったとき、証明をするために母親が起こした行動とはあまりにも衝動的で…
結局、新しい犯人が捕まるが、その子もやはり普通の子ではなく、息子と同じような自己判断ができない、そしてさらに、天涯孤独だということで不条理な世の中に憤りを感じながらも安堵する。
しかし息子は、いつこの事実を思い出すのかという恐怖と痛みを持ち、生きていかなければならない。この親子がどうなっていくのか…
事件は解決したけれどその証明はどうだったのだろうか…