62歳の尾形信吾は、歳のせいか夜半によく目を覚ます。鎌倉の谷の奥から聞こえる深い山の音に、自分の死期のようなものを感じて寂しくなった。彼は少年時代の憧れの女性だった妻の姉を思い返す。そして…
>>続きを読む野戦病院には次々と運び込まれる負傷兵や患者がおり、軍医の藤崎恭二は休む暇もなく手術台の横に立ち続けていた。陸軍上等兵の中田龍夫は下腹部盲腸を患い、命危ないところを恭二の心魂込めた手術により…
>>続きを読む昭和12年。男前で妻がありながら女性関係の絶えない会社社長・門倉と真面目なサラリーマンの水田は不思議と気が合い、20年来の友人だった。3年ぶりに地方勤務から東京に戻ってきた水田と門倉は再び…
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