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キッズ・オールライトのYYamadaのレビュー・感想・評価

キッズ・オールライト(2010年製作の映画)
3.9
【戴冠!ゴールデン・グローブ賞】
 ~オスカー前哨戦を制した作品たち

◆第68回(2010)G.グローブ作品賞受賞
 (ミュージカル・コメディ部門)
◆同年のアカデミー作品賞
『英国王のスピーチ』

〈見処〉
①低予算映画、世界を駆ける
・『キッズ・オールライト』(原題: The Kids Are All Right)は、2010年に製作されたコメディ映画。
・舞台は米国、南カリフォルニア。同性婚カップルのニック(アネット・ベニング)とジュールス(ジュリアン・ムーア)は、精子提供を受け、娘ジョニと息子レイザーを出産。
・ある日、15歳の弟レイザーは、大学進学で家を出る18歳の姉ジョニに父親捜しを持ちかけ、レストランのオーナーを務めるポール(マーク・ラファロ)が精子提供者だと突き止める。気さくなポールは2人とすぐに打ち解け、子供たちの行動を知ったニックたちはポールを食事に誘うが…。
・本作はハリウッドの名優3人の豪華キャストにあるが、製作費はわずか400万ドル、
主要撮影も23日間で完了した「小規模作品」。
・2010年7月に北米7館で限定公開されたが作品が、興行面と批評面ともに高評価を受け、最終的に994館まで拡大公開。ゴールデン・グローブ賞を含む賞レースの台風の目となった。

②3人の名優、ここに集う
◆アネット・ベニング
現在も『キャプテン・マーベル』(2019)などのハリウッド大作まで活躍を続ける、4度のノミネートを誇る「アカデミー未受賞の名優」。代表作は『アメリカン・ビューティー』(1999)
◆ジュリアン・ムーア
アカデミーノミネート5回、うち『アリスのままで』(2014)では主演女優賞を受賞する大女優。近年も『ハンガーゲーム』シリーズに出演するなど、出演作品幅の広さはハリウッド有数。
◆マーク・ラファロ
バーテンダーから転身した変わり種俳優。
マイケル・マンの『コラテラル』、デヴィッド・フィンチャーの『ゾディアック』、マーティン・スコセッシの『シャッター アイランド』など大作の脇役にてキャリアを重ね、本作にて初のアカデミー・ノミネートにより、2012年の『アベンジャーズ』にてハルクに抜擢。アカデミー3回ノミネートを重ねるスター俳優に。

③結び…本作の見処は?
○: 新しい形の家族愛。悪人がいないドラマで、大人3人に子供2人の計5人に対する10個の人間関係が全て描かれている。心地好いまま、鑑賞が終えられる佳作。
○: 主演3人のイメージそのままの配役。素晴らしいキャスティング。
○: 『アリス・イン・ワンダーランド』の
ミア・ワシコウスカと、『ハンガー・ゲーム』のジョシュ・ハッチャーソン。ブレイク前の子役2人の演技は印象的。
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