YYamada

ゾディアックのYYamadaのレビュー・感想・評価

ゾディアック(2006年製作の映画)
3.6
【サスペンス映画のススメ】
〈ジャンル定義への当てはめ〉
 ○: 観客の緊張感を煽る
 ○: 超常現象なし

◆作品名:
ゾディアック (2007)
◆サスペンスの要素:
・事件の真相解明

〈本作の粗筋〉 シネマトゥデイより抜粋
・1969年、自らを「ゾディアック」と名乗る男による殺人が頻発し、ゾディアックは事件の詳細を書いた手紙を新聞社に送りつけてくる。
・手紙を受け取ったサンフランシスコ・クロニクル紙の記者ポール(ロバート・ダウニーJr)、同僚の風刺漫画家ロバート(ジェイク・ギレンホール)は事件に並々ならぬ関心を寄せるが…。

〈見処〉
①デビッド・フィンチャーが描く、
 米国犯罪史上最も危うい連続殺人鬼
・『ゾディアック』は、2007年に製作されたサスペンス映画。
・本作でジェイク・ジレンホールが演じた、風刺漫画家ロバート・グレイスミスによるノンフィクション小説『ゾディアック』および『Zodiac Unmasked』を原作としている本作は、実際に起きた連続殺人事件を追う4人の男たちの姿を描いている。
・監督はサスペンス映画の名手、デヴィッド・フィンチャー、主演はジェイク・ジレンホール、マーク・ラファロ、ロバート・ダウニー・Jrら。ダウニー・Jrは、ドラッグ摂取からの低迷期から脱却し、翌年の『アイアンマン』(2008)による完全復活に繋がった、キャリアの節目の作品である。

②「ゾディアック事件」
・ゾディアック事件とは、1968年に若い男女2人が米国サンフランシスコ近郊で射殺されたのを皮切りに、少なくとも5人が殺害され、2人が負傷した未解決の連続殺人事件。犯人が謎めいた暗号文を残すなどその奇怪な特徴から「米国犯罪史上最も危うい連続殺人鬼」と称されている。
・事件の犯人「ゾディアック」は、サンフランシスコ・クロニクル誌など複数の報道機関に謎の記号文を送付しているが、うち408個の記号で構成された「408暗号文」は、1969年に高校教師が解読。その内容は「私は人を殺すのが好きだ。なぜなら森で動物を狩るより楽しいから。私はパラダイスで生まれ変わり、私が殺した人は私の奴隷となる」。
・しかしながら、408号暗号文よりはるかに複雑な「340暗号文」は、長く解読がされずも、51年間後の2020年12月にオーストラリアの数学者チームが解読に奏功。「私を捕まえようとしている諸君が楽しんでくれることを願う。私はガス室を恐れていない。なぜなら私をすみやかにパラダイスに送ってくれるからだ。他の者たちはパラダイスに到達しても何も持っていないので死を恐れるが、私は恐れない。私の人生は楽園での死により、裕福なものになるだろう」…FBIはサンフランシスコ・クロニクルを通じて、暗号が解読されたことを認め、2021年現在も捜査は続いている。

②結び…本作の見処は?
同名の似たような作品があるので、鑑賞の時は間違えないように!!
○: 視覚よりも会話=耳で進行する、フィンチャー作品らしからぬ終始物静かな作品。秋の夜長にじっくりと鑑賞するには、もってこいの作品。
○: マーベル俳優陣は、様々な作品で共演しているが、本作はアイアンマンとインクレディブル・ハルクとアベンジャーズ主力俳優が競演。
▲: ネット検索すると諸説入り乱れる未解決事件がテーマだけに、サスペンス要素は控え目。その結末の歯切れの悪さは、150分超の鑑賞のご褒美として少々物足りない。
YYamada

YYamada