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A.I.のYYamadaのレビュー・感想・評価

A.I.(2001年製作の映画)
3.6
【監督スティーブン・スピルバーグ】
 第19回監督作品
◆ジャンル:  
 SFファンタジー

〈見処〉
①「キューブリック原案」を作品化
・『A.I.』(A.I. Artificial Intelligence)は、スティーブンスピルバーグが、『プライベート・ライアン』(1998)の次に監督を手掛けた、2001年公開のSF映画。
・本作の舞台は地球温暖化により、多くの陸地が水面に沈み、人口制限が図られていた近未来。
・人類は「感情」以外は万能なロボットを召使いとする生活を送っていたが、うち、サイバートロニクス社は世界で初めて「愛情」をインプットしたロボットの少年デイビッドを(ハーレイ・ジョエル・オスメント)
作り上げる。
・彼はサイバートロニクスの従業員夫妻の養子となるが、やがて予期せぬ状況が重なり、スーパートイ「テディ」ともに山中に廃棄されてしまう。
・再び、養母の愛情を受けるため、デイビッドは、リアルな人間になることを叶えてくれるだろう、ピノキオに出てくる「ブルーフェアリー」を探す旅を始める…
・本作はもともと鬼才スタンリー・キューブリックの企画。70年代より原作『スーパートイズ』映画化の検討を開始。1982年に映画化権利を取得し、その後10年かけて脚本が執筆されたもの。
・キューブリックは監督をスピルバーグに任せる予定だったが、スピルバーグはその要請を一度断っていたものの、キューブリックの死後に、彼の遺族の強い希望でスピルバーグが製作を引き継ぎ、監督だけでなく自ら脚本を執筆することとなったそうだ(Wikipediaより抜粋)。

②大人になったスピルバーグ
・長く童心による冒険物語を描いていたスピルバーグも、本作製作時には既に55歳。
・本作はスピルバーグが得意とする、SFファンタジー映画でありながら「母親と息子による家族愛」を物語の中心とし、養母によるデイビッドに対する複雑な心情は、従来作品にはない親目線によるもの。
・なお、本作は、本国アメリカでは、キューブリック原案による難解な哲学映画としてマーケティングされ、興行的に失敗したが、日本では「母とロボットの愛」として宣伝されたことに由来し、興行収入96億円を超える大ヒット、製作費を楽々と回収している。映画公開時のマーケティングの重要性を明らかとなった作品でもある。

③結び…本作の見処は?
○: 少年型ロボット「デイビッド」を叙情的に描き、彼の実現不可能な冒険に対して、いつの間にか応援したい気になってくる。
○: 本作製作時の最先端による特殊視覚技術は、20年経った今でも通用する映像美
○: 熊のぬいぐるみ型のスーパートイ「テディ」は、なごみ系の優良キャラ
▲: 上映時間が長い。とくにデビットが廃棄されるまでの描写は退屈を覚える。
▲: ハッピー・エンドで終わるストーリーは納得出来るが、『インディ・ジョーンズ/クリスタル・スカルの王国』のような飛躍しすぎなラストに対して、もう少し歯止め出来なかった??
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