このレビューはネタバレを含みます
「千夜一夜物語」の「アラジンと魔法のランプ」を基にしたディズニーアニメ映画。
91年の「美女と野獣」に続いて興行的にも批評的にも成功した作品で、確かに90分という尺の中での話のまとまりやスピード感、印象的な主題歌の使い方などのディズニーらしい面白さが詰まったアニメ作品になっている。
いわゆるディズニープリンセスと彼女を救う若者がいたり、悪だくみする魔法使いがいたりと話の構造自体は王道ではあるものの、“アラビアンナイト”というエキゾチックな世界観が変化を与えた魅力にもなってるよね。
本作は何と言ってもジーニーのキャラクターがずば抜けて面白い。
“ランプの魔人”という万能キャラであることを良いことに姿かたちが目まぐるしく変化するし、世界観も超越して現代文化的な表現をどんどん放りこんでくる自由さには恐れ入った。
これが成立するのがアニメの面白いところか。
ロビン・ウィリアムズのまくしたてるようなセリフ回しもジーニーの面白さに拍車をかけている。
一方、魔法の絨毯も本作のキーキャラの一人であるが、これはCGで描画されてる様子。
無機物の擬人化はディズニーの十八番だけど、これをCGでやっているのはちょっと寂しい気も。
とはいえそのCGによって絨毯の飛行シーンはスピード感のある表現にもなっているわけで、表現技術の使い方としては間違っていないとは思う。