140字プロレス鶴見辰吾ジラ

プラネット・テラー in グラインドハウスの140字プロレス鶴見辰吾ジラのレビュー・感想・評価

3.3
馬鹿は休み休み言え
と、よく言うが
彼らの馬鹿は24時間年中無休だ

景気の良い音楽に乗せてセクシー美女がポールダンスとこれまた景気良く始まる本作。

ザラついたフィルムにネットリとしたゾンビエキスが降りかかり、この世の終焉を示唆する。
爆発する病院、燃え盛るBBQ屋、グロテスクに蠢くゾンビの群れ。飛び散る血飛沫と裂かれる肉体、しかし当の生き残りはコメディアンになりたいだの、塩が足りなかったんだなと冗談混じりの会話をエッセンスに楽しそうに終焉に向かう世界で生きている。

これが強さなのか?

やりたいことやる!をテーマにB級映画専門のグラインドハウスを引っ張り出してきてくれると観客のテンションも高く、繰り出されるゲテモノショーに心が躍る。

クライマックスに片脚を奪われたコメディアン志望の美女が、失った片脚にマシンガンを装着し、奇想天外な演舞でゾンビたちを蜂の巣にする。
片脚機関銃美少女にセーラー服美少女戦士も形無しである。

ツッコミどころや隙は有り余っているが、劇中の会話の中にある役に立たないだろうとしているあるモーションをキッチリ役に立たせるなど余念がないことには感心する。

アカデミー賞からは縁遠いところにいても一定の支持層の期待に応えたい心意気がベチャベチャと無造作に盛り付けられた快作?怪作?である。


ちなみに、140字プロレスというネームを使いながらプロレスネタを仕込まないのもなと思っていたので、失礼ながら今回はとあるプロレス団体の話を。

ルチャアンダーグラウンド(Lucha Underground)をご存じでしょうか?
本作のロバート・ロドリゲス監督の立ち上げたエル・レイ・ネットワークで放送されているTVプロレスで、ロバート・ロドリゲス自身もエグゼクティブプロデューサーの一員である。
従来のプロレスの概念を破壊し、映画チックなカメラワークと演出により一部支持層から急激にプッシュされる破天荒な団体。
youtubeでハイライト動画が上がっておりますので、是非一度ご覧ください。