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雨の午後の降霊祭のRのレビュー・感想・評価

雨の午後の降霊祭(1964年製作の映画)
4.4
黒沢清の降霊という映画の感想を書いた折、コメント欄でおすすめのあった映画で、気になって見てみやした。キャンドルを囲んで降霊術を行うオープニングの妖しいムードと美しい白黒の映像で、おっ!面白そう!ってなるんやけど、最初の方は、中年夫婦の息子がどうやら過去に死んでいる?ということ以外はいろいろ謎めいたままで、ストーリーがどう進んで行くのか分かりにくい上、非常にペースがゆっくりなので、若干眠気を誘われた。黒沢の降霊を見てたから、だいたいこういう流れになっていくのかな?と予想がつくけど、見てなかったら寝てたかも笑 ほんで、途中で黒沢の降霊とは展開が違ってくるあたりから、つまり、子どもをしっかり身代金要求して誘拐してくるあたりからがかなり面白くなる。霊媒をそもそも信じてないオレにとって、この霊媒おばさんは見てて、非常にキモい。ただのキチに周りの人がだまくらかされてるようにしか見えない。ほんで、そのとばっちりをガッツリ受ける旦那。はじめは霊媒の才能を世間に認めさせるために夫を使って偽装誘拐してたはずが、様々な出来事を通して、心情や目的が変わっていき、さらに後半、おばはんの霊媒行為に激しいツッコミが入ったりで、おばさんがブレにブレてあぁれえぇぇ!な展開になったと思ったら、最後は緊張感と切ない悲しみと無力感が一気に押し寄せる最高のエンディングに。全編にわたるじっとりいやーなムード、途中からのスリリングな展開、主演2人の熱演、ホントに素晴らしかった。特に奥さん、こんな女いたらやだなぁと、嫌悪感しかなかった。てことは演技スゴいてこと。面白かったー!
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