母子家庭の男子高校生（依田浩介）を担当する家庭教師（渡辺良子）が、同性愛の気質をもつ母親（志水季里子）に誘惑されてしまう。近親相姦＆レズビアンの性愛世界に取り込まれた女性を追っている、日活ロマンポルノ。

「母親が別の女に奪われることの苦しみ」を抱えている長男と、その母子の心の隙間を何とかして埋めてあげようとする主人公の、双方の葛藤劇が描かれる。レズとマゾが混交している母親のキャラ設定に、映画ならではのケレンミが働いている。

何よりも、志水季里子演じる母親の、異常性愛者としての爆発力が素晴らしい。鞭打ちから失禁までの怒涛の展開、ベッド上での妖艶な悶え芸など、「性の歓びに真っ直ぐな女性」の雰囲気作りに秀でている。

マゾヒスト要素があまり活用されていないが、演者たちのフィジカルな芝居に目が離せなくなる。変化球の付けられた倒錯ドラマを十分に楽しむことができる。

レンタルビデオ時代に仕入れて渡辺良子のシーンだけ飛ばして見てたのでオープニング曲が題名と違って陽気な音楽だと知って驚く。志水季里子とのレズシーン印象的。その後SMに！男いらないなぁこの人たちと思ったもんです。

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湘南辺りのロケで爽やかじゃない映画っていい。日活だと「海底から来た女」みたいなニューロティックな感じ。異常に高い飛び込み台の不安。母と家庭教師が入れ替わっているセックスシーンの良さ。