｢親父さんの葬式やのうて、坊やの襲名披露や思うてええんやな？｣
｢能間さん、次はアンタの番だ。祭りはまだ始まったばかりばい｣

任侠Vシネ作品をあんま観たことないから新鮮(これをカウントしていいのかは分かりませんが…)。バイオレンス描写はやりたい放題で面白いんだけど、肝心のストーリーが面白くないという。
古い血を新しい血に入れ替えることを目指す谷原章介たちの物語。エログロまみれで変態性全開。クソ映画を量産する何でも屋の三池崇史は個人的には嫌いなのだが、今作の悪趣味さは大好きとまでは行かずとも、結構面白かった。
小学生の殺し屋が暗躍したり、殺し屋JKのマン吹き矢の破壊力。普通に笑った。あのシーンのためだけでも見る価値がある。
個人的には、車の暗殺シーンが信じられないくらいめっちゃ血が吹き出していたのが謎に好き。あまりにも異常すぎる出血量だし、やりすぎの次元を超えている。

｢これがキムチかぁ！？｣でブチギレる韓国人とか、実はフタナリなの…からおっぱじめるのとか、119押したらナイフが出てくる携帯とか、なんやねんこれってツッコミたくなる要素が満載。ツッコミ出したら止まりません。無茶苦茶ゆえに、かなり好き嫌いは分かれると思いますが、俺は笑っちゃったなー。

p.s.メタリックな藍染くんのビジュが一番ツボ。めっちゃダサいです、はい。

少年はランドセルからチャカを取り出して、ヤクザを的に残酷な引き金を引く。


これだよ！これが三池崇史だよ！
色々な事情があるのもわかるけれども、制約ばかりで塩っぱいシネコン用の商業作品よりも、こういった闇ルートみたいにうらぶれたビデオ映画の方が三池監督の切れ味は活きる！
これぞ、バカイオレンスの傑作だよ！
まぁ、なにの因果か間違いか、これが劇場公開されているのも完全に狂ってるけれども！
しかしギャガ、何考えてこれを配給したのか？
決まっている！
面白いから！！


群雄割拠する現代日本。
群雄とはつまり、ヤクザであります！
神戸を仕切るロン毛武闘派の竹内力。
彼の動向を探る九州ヤクザの不動組。
しかし、雇った情報屋・田口トモロヲは汚い公衆トイレの壁をぶち破りながらミッキー・カーチスによって銃殺刑にされ、不動組若頭はお返しのばかりにミッキーの生首を竹内力にプレゼントする。
そこから抗争が勃発しそうになり、力で劣る九州勢は尻込み。
責任を取らされる形となった不動組の峰岸徹組長は若頭である息子を首チョンパ！
それを目撃した（小学生時代の）谷原章介は優しかった兄の仇をとろうと心に誓うのでした。


なんなの、このオープニング！
最初から異常なテンション！
トイレでの銃撃なんて、そんなに撃つ必要まったくないよ！
こんなの平気で撮るからタランティーノに好かれるんだよ！
もうね、峰岸徹もイッちゃってましてね。
さすがはゴジラをさん付けで呼ぶ漢ですよ！
この組長、人の父親として最低最悪でして、自分の子供が反抗すると愛人に産ませた子供に狙わせるんです。
異母兄弟で殺し合いさせるわけですね。
悪魔か！


成長して高校生になった谷原章介は、成績優秀で父親にも従順なフリをして、裏では「いまのヤクザはもう古い！全員ぶっ殺して新しいヤクザ社会を作る！」なんて理想を掲げて日々、暗殺に精をだしているわけです。
しかも自分は命令するばかりで、実際に手を下すのは谷原章介が殺人マシーンに仕立て上げたクラスメートのJKやら小学生の少年たち！
小学生にヒットマンやらせるなよ！
中東の過激派テロリストより酷いぞ！
ランドセルからおもむろに拳銃だして即射殺！
そりゃ相手も油断するからある意味有能なヒットマンになるでしょうけれど、これを普通にやってしまう三池作品は地獄の一丁目ですよ！
しかも竹内力には通じず返り討ちにあい、今度は小学生の死体が送り届けられるシーンまで見せちゃう。
なんてアンモラルなんだ！

JK2人もすごい。
お祭りの日だからって景気良くマシンガンをぶっ放し、毒入りコーヒーはあり得ないほどの血しぶきを噴出させ、膣の圧力で吹き矢を飛ばす！百発百中だよ！
エロい必殺仕事人！

あと、途中で高野拳磁がスカウトされるんですが、どこからどう見ても高校生には見えない！完全におかしな嘘がまかり通った世界観なんですけれど、高野拳磁が学校へデカいバイクで通っているところからして狂気。
しかもバイクもデカいが高野拳磁も巨漢プロレスラーですからね。
両親殺して、そこらじゅうの飯屋に入っては暴力ふるってタダメシ食って生きているって、そんな生徒を普通に転入させる高校ってのも優しさがおかしな方向を向いていますが！しかも、先生がいきなり暴行されてますけど！何故か退学とかならんのね。

このデカブツが仲間になったので、隠れてコソコソ暗殺するのをやめた谷原章介は、堂々と九州ヤクザの元締めのところへカチコミかけて勝利、次に狙うのは竹内力の首となります。
しかし、お尻も晒す背中オールヌードでいくらイキったところで、対するロン毛の竹内力は秀才君にとっても難敵に違いないのです。
この主人公、超秀才で冷静沈着な戦略家って設定のの割には何も考えていないように見えるんですよね。
作戦なんか何も無いし。

一方、竹内力に促された峰岸徹。
自分の保身のためには息子の命なんぞタダ同然のゲス親父なので、早速行動を開始。
愛人に産ませ、こんなこともあろうかと韓国陸軍の特殊部隊に放り込んでおいた秘密兵器を出動させますよ！
その切り札こそ新妻聡！
日本キックボクシング界のスターじゃありませんか！
新妻聡はお父さんに従順。標的が弟と聞いても動じません。
むしろ楽しそうに、カクテキをボリボリ食いながらJKをぶっ殺していきます！
野本美穂は「マッドマックス」のグースみたいにされちゃいますよ！

仲間をみんな失った谷原章介は激昂、やたらと格好つけて新妻聡と対峙しますが、何と言っても相手がプロのキックボクサーですから分が悪い。
テコンドーぽい蹴り技をメチャンコ食らってボコボコにされる谷原章介！
もう、本当にボコられますよ！
なんなら壁もブチ破って飛んでゆきます！
あれ？谷原章介って主人公ですよね？
思い返してみると、まったく活躍していないような気がしてきましたが・・・？

そんなこんなで完璧超人であるはずの主人公があまり活躍せず、周りのJKや小学生や不良ばかりが血みどろの活躍ぶりをみせ、アホなヤクザやキチガイ殺し屋が跋扈するハードな殺戮おとぎ話は、最高of最高でした！
やはりエログロを無制限でやらせたら本当に面白い作品を撮れる。
それが三池崇史監督なのだと再確認させていただきました。
ふざけたことをギャグにしないで真面目に見せるって、案外難しそうに思えるのですが、瞬時に膣から矢を飛ばして、それを手で受けてニヤリと喜ぶプロレスラーにしか見えない高校生の図ってどうですか。
マンガですよね。
原作が漫画だから当然かもしれませんけれど、そんなマンガな絵面を平気で撮るのは紛れもなく才能の成せるわざしょう。
素晴らしい！

いやはや、馬鹿馬鹿しくも面白いので、こういった映画にはモラルを求めない方にオススメです。
惜しむらくは仮面の男化した高野拳磁があんまり意味がなかった事と、先生の正体が唐突でよく分からん事、そして谷原章介の大事なジュニアがハッキリとは見えないという事でしょう！

そういえば、残りの小学生軍団はどこへいったのだろうか・・・？
先生の生首でサッカーやっていたけれど、無くなっちゃったから解散したのかな！？


アマゾンプライムビデオにて

• #娯楽の殿堂
• #スプラッター
• #アンモラル
• #ヤクザ
• #ヴァイオレンス
• #首チョンパ
• #グロリンチョ
• #ケツヌード
• #フタナリ
• #小学生に気をつけろ

記録用
三池崇史監督作品。

三池崇史監督といえば、2005年、2006年頃以降のメジャー作品しか観たことがない人にとっては、正直いつもつまらない作品ばかり作る監督というイメージが強いかもしれません。
しかし、それ以前の映画初期作やオリジナルビデオ作品には、フェチ全開のイカれた面白さが詰まっていて、しっかりとした作家性も感じられます。

特にこの作品は、三池崇史の名を世に知らしめた代表作。
基本のストーリーはVシネマらしいベタな復讐劇ですが、その土台の上で後は何をやってもいいと言われたかのように、好き放題やったおもちゃ箱のような映画になっている。
黒沢清監督もVシネ出身ですが、当時のVシネにはある程度自由にやらせてくれる現場があり、そうした環境が、三池のようなぶっ飛んだ監督を生み出す土壌になっていたのかもしれません。

主演は、朝の情報番組などでお馴染みの谷原章介。そんな彼が本作ではヤクザの息子役を演じ、兄を親分である父に斬首された復讐のために動き出し、やがて抗争は組同士の大規模な争いに発展していきます。
登場するキャラクターたちも一筋縄ではいきません。小学生の殺し屋、女子高生の殺し屋、その一人はストリップ小屋で働いており、膣圧で針を飛ばすという必殺仕事人顔負け。さらに、身長2m超の巨漢高校生も登場し、他の映画では味の濃い存在感を放つ竹内力ですら、本作では普通の人に見えてしまうほどです。

演出もとことんバイオレンスで容赦がなく、ギャグのような過剰演出によって、ガゾリンスタンドシーンなんかはサブスタンス以上に血が溢れ出ます。しかし、そのグロテスクさを通り越して、思わずツッコミを入れたくなるようなギャグ感が前面に出ており、終始ふざけているような雰囲気が逆に良いバランスで面白さを生んでいます。
途中に登場する子供たちの生首サッカーは、後にイーライ・ロスの「ホステル2」でも引用されていましたね。三池監督自身も「ホステル」に日本人の拷問マニア役で出演していますから、間違いないでしょう。

物語自体はシリアスな復讐劇なのですが、終始ふざけている。このギャップを楽しめるかどうかで、この作品の評価は大きく分かれるのかぁと。
完全に珍味映画なので、普通の映画ばかり観てきた人ほど新鮮に楽しめるかもしれませんが、王道の映画を求める人には「意味がわからない」「気持ち悪い」「つまらない」と感じるかもしれません。

2、3と続編が作られたがやはり無印の三池崇史監督のこの作品が際立っている。
ちなみに私は斬首防止の謎の機械が好きでした😊
あまりの器具の細さに絶対他の状況で使えんと脳内ツッコミをまんまと誘発させられてしまいました😆