茜

デモン・シードの茜のレビュー・感想・評価

デモン・シード(1977年製作の映画)
3.5
今でこそやたらめったらAIだなんだ言ってますけど、そんな未来を予見するようなお話が既に70年代にあったんだなぁ。
現代に観ると余計に妙なリアリティが感じられて気味が悪くも面白かったです。

簡単に言うと機械が子供を作る話。
人工知能を搭載した最新型コンピューターシステムに管理された屋敷で暮らす奥さんにコンピューターが興味を持ち、彼女との子供を欲しがるという…。

機械って特に表情があったりする訳でもないし、話し方だって抑揚に乏しく感情が分かりにくいけど、だからこそ奥さんを追う監視カメラの動きやロボットの行動が気味悪くて変態性すら感じる。
奥さんの手足を拘束して監禁し、装備されたハサミで洋服を切ったり、よく分からない注射をしたり、カメラ突っ込んで喉の中を見たり…この辺の描写が人間同士よりも妙にイヤらしく見えちゃう。
最新型コンピューターというだけあって、家主の体質や体調なんかも事細かく読み取って理解してるぶん隅から隅まで支配されてる感じがして気持ち悪い。

余りにもコンピューターが都合よく万能過ぎて「強引だなぁ」と苦笑しちゃうような部分も大いにあるんですけど、時代を考えると凄く斬新な設定だったんだと思うし、今観てもそこまで色褪せた感じはしない。
人工授精のシーンなんか「そうやって表現するんだ~」ってちょっと笑っちゃったし。

原作は完全にコンピューター視点のお話なんだそうで、奥さんに好意を持つまでの経緯なんかも事細かく描かれているようで更に面白そう。
こういうお話ってAIの発達した現代こそリメイクでもすれば映えそうな気がするけどなぁ。
茜