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ショーシャンクの空にの小のレビュー・感想・評価

ショーシャンクの空に(1994年製作の映画)
4.0
「午前十時の映画祭8」で鑑賞。リアリティはともかく、感動のツボを押さえた実によくできたストーリーではないかと。

無実の罪で無期懲役の刑に処せられ、ショーシャンク刑務所に入所した元銀行副頭取アンディ。絶望的な状況にもかかわらず希望を失わないアンディが、人間の尊厳を保とうと奮闘し、長年入所しているレッドと交流を深めていく。

2時間半近いまずまず長い上映時間だけれど、ムダのないストーリー展開に最後まで退屈することなく観終えて、さすが名作、いい映画だったなあ、と。

ただ、アンディが完璧過ぎて、エンターテインメントの面白さがやや強めなことが、ヒューマンドラマとしての感動を少し目立たなくしているようにも感じた。

豊富な知識、頭のキレの良さ、決してあきらめない粘り、逆境の中でも人間性を失わない強さ、思いやりの心、悪者退治のカタルシス、そしてレッドとの友情…。

アンディは自分を投影できるような存在ではなく、この物語はスーパーヒーローが理不尽な状況に陥ったらどうなるか、というように見えた。雨の中、天を仰ぐシーンは、変身し、これから戦うぞ、みたいな。

それでもこのヒーロー像から受け取るべきことを感じるからこそ、長く愛される作品なのだろうと思う。自分的には「逆境のなかでこそ、希望を持ち続けること」なのだけれど、すぐに忘れてしまうから、この映画は逆境の時に観る1本かもしれない。
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