男はつらいよ 寅次郎紅の花の作品情報・感想・評価・動画配信

「男はつらいよ 寅次郎紅の花」に投稿された感想・評価

唄はやっぱりいいおはなし。


渥美清の遺作というだけあって、今作は寅さんの回想録的作品になっているのだが、正直に言うとこの形式はあまり面白くなく、また泉ちゃん(後藤久美子)の過度な演技が鼻に付くため、最近の僕の『男はつらいよ』に対する熱がここで高まることはなかった。


しかし、寅さんとリリー(浅丘ルリ子)が為せなかったことを果たそうとする若者二人の、最高にダサくて最高にカッコ悪い姿には感慨深いものがあった。
また、ゆく先々で沢山の人々を幸せにしてきた風来坊への最大の慰労にして、肝心なことは何も喋られない江戸っ子への最大の贈り物には、涙がこぼれた。


役者・渥美清による、最後の車寅次郎。

渥美さんが亡くなって24年が経つがしかし、寅さんは不滅だ。映画の中に生きる寅さんに寿命などありゃあしないのだから。

だから、だからこそ、そこらでテキトーにくたばってちゃあいけねぇぜ、寅さん。
今の世にこそあんたが必要なんだ。
浅

浅の感想・評価

4.5
48作目


リリーの手がもう骸骨みたいだ。
寅さんの遺作。
寅はほぼ立つか座るか寝るかだけ。
声もかすれてハリが全く無く聞き取り辛い。
こんな時だからか、変わらないものを求める自分がいる。映画も音楽も食べ物も。
寅さんはもちろん、寅さんを観た映画館も、その後に行ったラーメン屋も、30年以上前からある。映画館は前身の劇場を含めればもっとだし、更にその前の東映時代も…(略)。
この世に変わらないものなんてないと諸行無常は響くし、どんなものにも終わりは来ると盛者必衰の理があらはしたりもしますが、だからこそ、今できることはしておきたい。それは、しないことも含めて。行きたい場所がいつまでもあるとは限らない、行くことで存続に貢献したいという気持ちはもちろん、自分にだっていつ終わりが来るか分からないのだから、とフーテンながら思った次第。行きたい場所だけじゃないね。会いたい人も、だ。それにしても、つくづく私は寅さんの悪いとこばっかりに影響を受けてしまったなあ。
m0jr

m0jrの感想・評価

4.0
リリーを送ると言って
寅さんが奄美大島まで一緒に帰った…
でも最後の最後で出て行っちゃう
それはそれは男はつらいよ。
リリーやっぱりかっこいいや〜
リリーさん。
みつおの旅先でリリーさんに会い、寅さんに会う。さんぺいさん気の利くことやら、さくら然りこの作品に限ったことではないけれど、ジーンときてしまった。ありがとう、ありがとう。
h

hの感想・評価

4.3
シリーズが進むにつれて、渥美清の死という現実世界での終焉が訪れてしまうことに、フィクションでは生み出せないどうしようもない儚さがあるけど、その儚さすら爽やかなものに変えてしまう凄さがこの作品に、この人生にあると思う。
ご苦労様でした!
モモモ

モモモの感想・評価

4.0
今となっては「おかえり寅さん」が存在するし特別編である次作もあるがこれが渥美さん最後の「男はつらいよ」であり実質的な完結編だった…と思いながら観ると胸に来る物があった。
前作の出来事がまるで無駄だったかの様な「初恋の人がやっぱり忘れられねえ!」な満男にはどうかと思ったが「結婚式当日になって破談を目論み滅茶苦茶にするだけしたら消えてしまう」という迷惑男振りが「お前こそが車寅次郎の継承者だ!!!」とよくわからない感動を覚えたのも確かです。
飛び出すリリーを追い掛けず間接的な告白は冗談だとはぐらかしてしまう。そんな男が遂に逃げずに一人の女と向き合う成長の物語なのだから本作は「どうしようもない恋愛をする男」の完結編にふさわしいでは無いだろうか。
「帰るべき家」が遂に柴又では無くなった物語…とも読み取れるだろう。だがそれは「おかえり寅さん」が作られていなければの話しだ。
僕が本作をリアルタイムで鑑賞出来ていたら「きっとリリーの元に又フラッと戻ったのだろう」「満男も初恋の人と結ばれたのだろう」とハッピーエンドを夢想出来たのに…今ではそんな事は出来ない。
あれから寅さんは柴又にも現れなくなり、リリーの元にも帰らず、作中で言及はされないが渡世人暮らしの旅の中で一人死んでしまったのだろう。
本作の柴又での最後の件が「兄妹の物語」に立ち返っていて本当に良かった。そこに僕は完結編(では無いのだが)としての意義と価値を感じる。
「母」としての側面が強くなったさくらが「妹」としての我が儘を、心の底からの想いを兄にぶつける。それに応える様にリリーを追いかける寅さん。
兄妹の物語で始まった「男はつらいよ」の円環が閉じた瞬間だと思う。
と、今更「男はつらいよ」にハマった僕を熱くさせる本作だったが…地味に冒頭での震災のシーンどうやって撮ったのか1番気になって仕方がないですね…。合成にしては高度過ぎると思うし、1から撮ったにしてはクオリティが…メイキング本を漁るしかないか…。
yuko

yukoの感想・評価

3.8
2020.2.24 札幌プラザ2.5

昔働いてた映画館の最終上映。
コロナの影響でお客さんはポツリポツリ。
寂しい幕引きとなりました。
でもこの場所で、去年閉館した大好きな映画館が営業を再開することになった!!
改装でいろいろ変わるのは寂しくて複雑な気持ちだけれど、楽しみな気持ちも大きいです。

寅さんの最終話。
これは昔父と観に行ったはずだけど、けっこう忘れてることが多くて再度楽しめた。
思い出語りと、満男への世代交代だなぁと思った。
仕方のないことだけれど寅さんに覇気がなく寂しくも感じた。
でもリリーとのその後が観られてほんのり温かい気持ちに。
ありがとう寅さん

寅さんが出演したシリーズ最終作。
なんだか優しい気持ちになれる作品ばかりでした。くるまやみたいな場所が、現代でもたくさんできれば良いなぁと思います。

ご苦労様でした。

このレビューはネタバレを含みます

渥美清の容体がどうしても悪く、思い切ってリリーさん(浅丘ルリ子)を出演させることになったとか。
ここから本来は幻の最終作50作へ向けたラストスパートとなる予定だったが、その前に渥美清は逝去された。


完全にシリーズ未見だった僕が、突然「男はつらいよ」シリーズを観る気になったのは、昨年たまたま、男はつらいよの22年ぶりの新作が公開されるというCMを目にしたからだった。
僕は90年代の生まれで、物心ついた頃にはもう渥美清はこの世にいなかった。
「寅さん」という言葉には実像を超えた様々な意味合いが含まれている。人情家、正義の味方、あるいは時代遅れのコメディ映画の代表……時代が移ろい、渥美清がいないからこそ、そのイメージは肥大化されて各自が好き勝手に語るようになってしまい、僕自身、見た事もないのに、勝手に「男はつらいよってこんな感じだろう」とイメージを固めてしまっていた。


そんな折に特報「おかえり寅さん」のCMを見て、「一度この作品をちゃんと観てみるか」と思ったのが、この長い旅のキッカケだった。


4作品に及ぶ、最も出演回数の多いマドンナであり、寅さんの最愛の人と言って差し支えのないリリーさんと、結局作中では結ばれることはなかった(とは言え、これまでの寅さんが取ってきた態度から考えると、一種の擬似的なゴールインとは言えるかも)。


結局撮影が叶わなかった次回作「寅次郎花へんろ」では、ミツオと泉を結婚させて、それを見届けた寅さんが旅を終えて柴又に定住させる予定だったという。
そして最終作50作目で、旅を終えた寅さんが柴又で死ぬところまでを描く予定だったらしい。
元々、テレビドラマ版で寅さんがハブに噛まれて死ぬという結末に、視聴者からの抗議が相次いだのが映画版のスタートであるが、結局山田洋次は寅さんをどうしても殺したかった様だ。
それについては色々な見方が出来ると思うが、僕はやはり寅さんの人生をファンに全て見せ切ることが責務だと山田洋次は考えていたんじゃないかと思う。
それだけ、寅さんという人物のことを、映画を見続けてきたファンは愛していたし、愛さずにはいられなかった。最後まで見届けたいと思う気持ちは僕自身強くある。


寅さんというキャラクターの凄さについて考えれば考えるほど、説明なんて出来っこない。
とにかく観れば分かる、問答無用の説得力がある。
それは寅さん以外の人たちも同じ。
この映画の中にいる人たちは、この世界のどこかで暮らしている、そう思えてならない。
何だかグダグダ書いてしまいましたが、僕が言いたいことは結局「寅さん、本当に今までありがとう、お疲れ様でした」。
その言葉だけです。


全部観てから、見ようとと思っていたから、「お帰り寅さん」はまだ未見。
来月のリリースが楽しみです。


追記
書き忘れてましたが、冒頭の笑顔。反則すぎる。
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